写真1●Touchanoteのプレゼンテーション
写真1●Touchanoteのプレゼンテーション
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 米エバーノート主催の開発コンテスト「Evernote Developer Competition」の結果が、2011年8月18日(米国時間)に行われた開発者会議「Evernote Trunk Conference(ETC)」で発表された。最優秀作品に贈られるGrand Prizeには、カナダのワイズリープ・ソリューションズの「Touchanote」が選ばれた(写真1)。

 同ソフトは、Android端末向けアプリケーションで、NFC(Near Field Communication)対応のタグにタッチすることで、関連付けられたEvernote上の情報を呼び出す。ETCで行われた決勝プレゼンテーションでは、タグを貼り付けた身近な「モノ」にタッチすることで、テレビのリモコンボタンの操作方法や、無線LANのセットアップ情報をEvernoteのノートから呼び出してAndroid端末に表示する用途が披露された(写真2写真3)。NFC対応端末とNFCタグのいずれも普及はこれからという段階だが、将来性と応用の幅広さが評価された形だ。

写真2●リモコンの操作方法を表示
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写真3●無線LANのセットアップ情報を表示
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 ETCでは、Touchanoteのほかに「Colorstache」、「MyWorld」、「Notablemeals」、「Sniptastic!」、「Zendone」が、最終選考作品として、それぞれ作者自身によって紹介された(最終選考作品の一覧)。

 このほかの賞として、ドイツの大学生バーンハード・キャスパー氏による「Desk in the Clouds」が学生賞を、米国バークレー市のアルロ・ファリア氏が開発した「bookvids」がワイルドカード賞を受賞した。Desk in the Cloudsは、机の上の作業環境を模したソフトウエア、bookvidsは、忙しい親のために開発したという、子ども向けの絵本の読み聞かせソフトウエアである。

 日本からの作品に贈られるJapan Prizeには、Evernote上にある大量のノートの中から目的のノートを高速検索するツール「EverFinder」と、Evernoteのノートに記した内容からユーザーの関心を可視化するアプリ「R.O.I」が選ばれたことが発表されていた(発表資料)。会場では、各作品の作者であるSUSIEA(すーじあ)の杉上洋平氏と、慶應義塾大学の羅ハユン氏がそれぞれプレゼンテーションを行い、来場者の拍手喝さいを浴びた(写真4写真5)。

写真4●SUSIEA(すーじあ)の杉上洋平氏(右)。左は、コンテストのプレゼンテータを務めた、著書「未来地球からのメール」で知られるエスター・ダイソン氏
写真4●SUSIEA(すーじあ)の杉上洋平氏(右)。左は、コンテストのプレゼンテータを務めた、著書「未来地球からのメール」で知られるエスター・ダイソン氏
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写真5●ユーザーの関心を可視化するアプリR.O.Iを説明する慶應義塾大学の羅ハユン氏
写真5●ユーザーの関心を可視化するアプリR.O.Iを説明する慶應義塾大学の羅ハユン氏
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