三井情報は2011年8月19日、同業の電算システムや電力系の情報通信3社と、データセンター(DC)の広域連携で提携すると発表した。距離が離れた互いのDC施設を融通しあい、災害対策向けにサーバーやデータを冗長化するDR(ディザスターリカバリー)を提供する。5社はいずれもDC拠点がそれぞれ一つの電力管内に閉じており、地域をまたがる連携で、より信頼性の高いDRのメニューを順次用意する。

 提携する電力系は、関西電力子会社のケイ・オプティコム、北海道電力の子会社であるほくでん情報テクノロジー、沖縄電力子会社のファーストライディングテクノロジー(FRT)の3社。ケイ・オプティコムこそ近畿の2府4県に九つのDCを持つが、三井情報は東京都に三つのDCが集中。岐阜県大垣市の電算システムと、札幌市のほくでん情報、浦添市のFRTはそれぞれ一つのDC拠点しか持たない。

 5社ではまず三井情報が、(1)DR用のサーバーを預かるコロケーションサービス、(2)仮想化サーバーを用いたDRサイトの構築サービス、(3)データバックアップサービス--を投入する。利用企業は東京と連携させるDRサイトの置き場所を、他の4社から選べる。施設の融通に伴う料金精算は今回の5社間で済ませ、顧客は三井情報と契約するだけで良い。

 他の4社も、同様のDRサービスを順次提供する準備を進めている。広域災害のほか電力不足の影響をさけるためにも、遠距離を結ぶDRが注目を集めている。5社のある地域で、原子力発電に依存しない沖縄電力は電力供給の不安が小さく、北海道も現在のところは比較的供給に余裕がある。