NECは2011年8月18日、ホテルなどの宿泊施設およびインターネット旅行代理店向けに、宿泊予約の登録作業を効率化するためのクラウドサービス「インターネット予約データ変換クラウドサービス」の提供を開始した。既にホテル小田急サザンタワーが同サービスの導入を決定しており、8月22日から運用を開始する予定だという。

 同サービスは、宿泊施設側と旅行代理店側がそれぞれ独自のフォーマットで管理している宿泊予約データをクラウドを使って相互に変換する仕組みを提供するというもの。宿泊施設側が予約システム上で「エージェントブロック」(代理店ごとに設定する料金や在庫などに関する情報)を作成すると、クラウドを通じて旅行代理店側で扱えるデータに自動変換され、予約サイトに反映される。

 反対に、予約サイトで発生した予約情報も、クラウドを通じて宿泊施設側のシステムが扱えるフォーマットのデータに自動変換され、予約システムに自動で取り込めるようになる。このような仕組みにより、従来必要だった予約情報を手入力するといった作業が必要なくなり、業務の効率化を図れるという。

 国内外の有力なインターネット旅行代理店や海外のCRS(Central Reservation System、宿泊可能客室の在庫確認などができる旅行業界向け予約システム)、スイッチング会社(複数の海外インターネット旅行代理店と接続するサービスを提供)との接続用インタフェースを装備している。宿泊施設側は、同サービスを契約するだけで主要な代理店と即時に接続できるようになり、販売チャネルを一気に拡大することが可能になるという。

 「完全成功報酬型」の料金体系を採用している点も同サービスの特徴。一般的な予約数と無関係な定額の料金体系ではなく、予約実績のみに基づいて課金するため、従来と比べてコストを抑えられるとしている。料金は、「1予約実績ごとに70~150円」を課金するという。予約がキャンセルとなった場合は課金されない。