Time Krei ASPの画面例(EVM分析画面)
Time Krei ASPの画面例(EVM分析画面)
[画像のクリックで拡大表示]

 テンダは2011年8月19日、ソフトウエア開発プロジェクトに向けて、作業工数と原価を正確に把握することを狙ったSaaS型プロジェクト管理ソフトを提供開始した。主に製造業向けの原価計算で実績を持つ東洋ビジネスエンジニアリングのSaaSを連携させてテンダのSaaSを強化したかたちだ。価格は、初期導入費用が20万円(税別)、月額費用が10万4800円(税別)から。

 テンダが提供しているプロジェクト管理SaaS「Time Krei ASP(タイムクレイASP)」と、東洋ビジネスエンジニアリングが提供している原価管理SaaS「MCFrame online原価管理」を、Webサービスで連携させた。具体的には、Time Krei ASPにおける原価計算処理を、MCFrame online原価管理に任せる。これにより、Time Krei ASPの原価計算機能が向上する。

 二つの異なるSaaSを連携させる基盤として、米MicrosoftのPaaS基盤であるWindows Azureで提供しているサービス連携機構、AppFabric Service Busを利用する。Time Krei ASPからMCFrame online原価管理に原価計算処理を依頼するメッセージを投げ、MCFrame online原価管理がTime Krei ASPにアクセスしてデータを取得し、計算結果をTime Krei ASPに受け渡す。

 Windows Azure AppFabricを連携基盤として利用することで、SaaS間連携だけでなく、(プライベートIPアドレスを用いるなどの制約がある)オンプレミスでのシステム導入/構築もやりやすくなる、と両社は見ている。Time Krei ASPとMCFrame online原価管理はともに、オンプレミスで導入するためのライセンスも用意している。

 連携する二つの既存ソフトの概要は、以下の通り。

 (1)Time Krei ASPは、グループウエア機能とワークフロー機能に注力したプロジェクト管理ソフトである。プロジェクト管理の基本機能を一通り備える。タスクごとの成果物とスケジュールを洗い出したWBS(Work Breakdown Structure)の作成、進ちょく管理、グループウエアと連携した進ちょく実績の登録、原価構成比の管理、作業の遅れやコスト超過などを視覚的に把握しやすくするEVM(Earned Value Management)グラフ分析、などで構成する。価格は、1ユーザーあたり2980円(税別)で、最小導入数は10ユーザー。

 (2)MCFrame online原価管理は、原価計算と予実管理に特化したプロジェクト管理ソフトである。別途プロジェクト管理ソフトなどと組み合わせて使う。経費の集計や特定のルールに基づいた配賦計算などができる。開発用ハードウエアの減価償却費を複数プロジェクトに配賦したり、光熱費などの共通部門費を複数の開発部門に配賦したりすることができる。価格は、1ユーザー(プロジェクト管理者や経理担当者)の最小構成で月額7万5000円(税別)。

■変更履歴
最終段落で「価格は、2ユーザー(プロジェクト管理者や経理担当者)の最小構成で月額7万5000円(税別)」としていましたが、「2ユーザー」は「1ユーザー」の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2011/08/23 16:30]