NECは、金融情報ベンダーのQUICK向けに、株価情報を高速に配信できるシステムを構築した。証券取引所システムから受信する数万件という大容量データを高速処理し、QUICKが持つ数十の解析サーバーに対して必要なデータを数ミリ秒で一斉配信できる。システムはLinux OS上で構築した。2009年夏に基本設計を開始、2011年6月に稼働を始めたという。

 QUICKが新システムを導入したのは、東京証券取引所が取引システムを刷新させたことがきっかけという。2010年1月に稼働した新取引システム「arrowhead」では、QUICKなどに配信される株価情報などのデータ量が従来と比べ数倍に増えた。さらに、証券会社や機関投資家によるアルゴリズム取引が急速に普及したことで、取引データを高速配信するサービス基盤が必要になったという。

 システムを構成するのは、NECのスケーラブルHAサーバ、Linux OSと各種ミドルウエアからなる「Enterprise Linux with Dependable Support」、そしてメモリー上でトランザクション処理を実行できる「InfoFrame Table Access Method(TAM)」である。InfoFrame TAMはもともとHP-UX向けソフトウエアだが、今回新たにLinuxに対応させることでコストを抑えた。システムの外販も検討する。

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