FENICSブラウザの画面と特徴
FENICSブラウザの画面と特徴
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 富士通は2011年8月18日、スマートフォンやタブレットからインターネット経由で社内LANにWebアクセスするためのサービス「携帯ブラウザ接続サービス」を提供開始した。特徴は、モバイル端末からの情報漏えいを防止するために専用ブラウザを用意したこと。利用料金は、回線費用を含まずに月額8万7500円(税別)から。販売目標は、2013年度末までに累計50億円。

 携帯ブラウザ接続サービスは、富士通のリモートアクセス・サービス「FENICS IIユニバーサルコネクト」を強化する付加サービスである。前提となるFENICS IIユニバーサルコネクトは、社外ネットワークから社内LANにアクセスするためのネットワークサービス。今回新たに提供する携帯ブラウザ接続サービスは、FENICS IIユニバーサルコネクトを強化し、iPhone/iPad/AndroidのWebブラウザからアクセスするための専用ログイン画面を提供する。

 最大の特徴は、モバイル端末となるiPhone/iPad/Android向けに、専用のWebブラウザ「FENICSブラウザ」を用意したことである。同ブラウザは、キャッシュ/Cookieの自動消去やコピー&ペーストの禁止、データ保存の禁止、ブックマーク禁止、URLの非表示、など、各種のセキュリティ機能を備えており、モバイル端末を介した情報漏えいを防ぐ。描画エンジンには標準のWebKitを使用。アプリケーション本体は、AndroidマーケットやApp Storeを通じて無料で配布している。

 FENICSブラウザ以外のWebブラウザからのアクセスを防止する機構も備える。具体的には、FENICSブラウザを起動すると、自動的に専用のログイン画面にアクセスする仕組みになっており、ユーザーには接続先が分からない(URLは表示されない)。ログイン画面では、ユーザーIDとパスワードを入力する。サーバー側では、ID/パスワード、端末ID、ブラウザ識別情報(詳細は不明だがUser-Agentなど)をもとに、登録ユーザーかどうか、登録端末かどうか、接続元がFENICSブラウザであるかどうか、を判別する。

 価格(税別)は、以下の通り。(a)社員50人の最小構成では、携帯ブラウザ接続サービスが月額費用6万7500円、FENICS IIユニバーサルコネクトが月額2万円。(b)ボリュームゾーンとなる社員300人の構成では、携帯ブラウザ接続サービスが月額14万5500円、FENICS IIユニバーサルコネクトが月額9万7500円。いずれも場合も、初期費用は10万円。このほか、FENICS IIユニバーサルコネクトと企業をつなぐ回線費用(専用線やインターネットなど)が別途必要になる。

 なお、Webコンテンツをモバイル端末向けに自動変換するサービス「モバイルコンテンツ変換サービス」も提供する。グループウエア(Exchange Server/Notes)やWebベースの業務アプリケーション画面をモバイル端末向けに自動変換する。価格(税別)は、ボリュームゾーンとなる社員300人の構成で、初期費用が50万円、月額費用が26万円。