写真●IBM SPSS Statistics 20.0のマップ表示機能
写真●IBM SPSS Statistics 20.0のマップ表示機能
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 日本IBMは2011年8月17日、アンケートデータなどを詳細に分析するための統計解析ソフトの新版「IBM SPSS Statistics 20.0」を発表した(写真)。2011年8月24日に出荷する。新たに、分析結果を地図上に表示するマップ表示機能を追加したほか、「満足」「どちらでもない」「不満足」などの順序尺度データを分析できるようにした。価格は、1ユーザー26万9900円(税別)から。

 SPSS Statisticsは、ウィザードを使って誰でも簡単にデータを分析できるようにした統計解析ソフトである。アンケートデータや販売データなど各種の分析対象データを、30種類以上の分析メニューと20種類以上のグラフを用いて分析・出力する。Excelや社内データベースからデータを読み込み、プルダウンメニューから統計手法を選び、必要な項目を指定するだけで、分析データをグラフ化できる。

 新版では、分析機能を二つ追加したほか、集計表の出力速度を高めて、結果を得るまでの時間を短縮した。出力速度を計測した社内テストでは、約10万件を対象にクロス集計を行った結果、従来版の約5分の1の時間で出力できた、としている。

 追加機能の一つは、分析結果を地図上に表示するマップ表示機能である。数値の大小によって地図を色分けしたり、地図上にグラフを表示したりできる。エリアごとの予算計画やキャンペーン計画、店舗ごとの在庫最適化などに役立てられる。地図データは、業界標準である米ESRIのShapefile形式ファイルを読み込んで利用できる。

 もう一つの追加機能は、一般化線型混合モデル(Generalized Linear Mixed Model、GLMM)を改良し、アンケートにおける満足度項目である、「満足」「どちらでもない」「不満足」などの順序尺度データを分析できるようにしたこと。これにより、分析の精度が高まり、より正しい顧客像を見出せるようになる。

 SPSS Statisticsの稼働環境は以下の通り。スタンドアロンで動作し、稼働OSは、Windows XP/Vista/7、各種Linux、Mac OS X。別途、サーバーOS上で動作するサーバー版「IBM SPSS Statistics Server」も用意している。なお、SPSS Statisticsは、米IBMが2009年に買収した米SPSSの製品ラインである。