ポイント交換サービスを手がけるネットマイルは2011年8月10日、同社の社員が米グーグルのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)「Google+」を使って「不適切な書き込み」をしていたとして詳細な経緯を発表し、公式に謝罪した。

 不適切な書き込みとは、ネットマイルの管理本部に所属する経理担当の男性社員(27才)が、8月9日の午後4時過ぎから5時過ぎにかけて、採用担当者を装って実際には存在しない「30歳の専門学校生」を面接しているという虚偽の「面接の実況中継」を実施したというもの。

 午後9時20分ころから掲示板サービス「2ちゃんねる」などで話題となり、同日深夜までにクレームのメールが約50通届いたという。事態を重く見た同社では、午後11時から対応策の検討を開始。緊急調査の結果、該当社員がGoogle+において虚偽の書き込みを行っていたことを確認したという。

 同社では、直ちに当該社員にGoogle+のアカウントを抹消させて虚偽の書き込みを削除する措置をとり(翌8月10日の午前0時20分)、同社Webサイトや採用専用ツイッター公式アカウントでの「お詫び文」の掲載を実施(午前4時15分~)。同社内定者および面接予定者への事情説明や、取引先への事情説明なども既に開始しているという(午前9時20分~)。

 ネットマイルによれば、「採用業務は、畑野仁一CEOと取締役2名、執行役員1名および人事担当マネージャー1名の合計5名が直接担当しており、過去から現時点に至るまで当該社員の関与は一切ない」という。また、応募者の個人情報や面接内容などの情報については、「管理本部人事担当マネージャーが適切に管理しており、外部に漏洩した事実はない」と説明している。

 当該社員については、社内規定に基づき8月10日中に処分を決定するという。その他の社員についても、SNSの利用状況を調査するとしている。さらに今後、「社会常識についての社員教育の強化」や「会社の社会的責任に対する理解を深めるための研修」を実施することも明らかにしている。具体的な社員教育プログラムについては、「社外の有識者の意見を取り入れ9月末までに策定する」(同社)という。

 今回のケースと同様に、最近では社員がSNSに不適切あるいは不謹慎な書き込みをすることで、いわゆる「祭り」が発生するトラブルが国内でも続発している。企業の教育や管理体制が改めて問われることになりそうだ。