図●富士通と富士通研究所が開発したネットワーク自動設計技術の概要
図●富士通と富士通研究所が開発したネットワーク自動設計技術の概要
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 富士通と富士通研究所は2011年8月10日、データセンターなど大規模なイーサネットベースのネットワークを設計する際に、全体の消費電力を最大で約2割削減できるというネットワーク自動設計技術を開発したことを発表した。

 同技術は、ネットワーク構成や拠点間の通信速度、使用する機器のスペック(消費電力や接続インタフェースなど)などのデータと、これらの関係を表した膨大な設計パラメータを「線形計画問題」として数式化し、これを解くことにより、ネットワーク全体の消費電力量や機器の設置コストを最小化するというもの()。

 ユーザーが利用するネットワーク条件を入力するだけで、人手による設計が不可能なほど多くの設計パラメータを考慮しながら、最適なネットワークを自動設計することが可能になるという。両社によれば、実際に消費電力の削減を目的として試行してみたところ、最大で約2割の消費電力を削減できたとしている。電力削減以外に、コスト削減などを目的として自動設計することも可能だ。

 富士通と富士通研究所では今後、同技術をイーサネット以外のネットワークへも適用できるように開発を進め、実用化に向けて研究を推進するとしている。同技術の詳細については、9月13日から北海道大学で開催される「電子情報通信学会ソサエティ大会」で発表する予定となっている。