米国出版者協会(AAP)は、出版業界の米調査団体Book Industry Study Groupと共同で実施した米国出版業界に関する調査結果を米国時間2011年8月9日に発表した。それによると、2010年の電子書籍の売上高は8億7800万ドルで、消費者向けカテゴリー全体における電子書籍の割合は2008年の0.6%から6.4%に拡大した。電子書籍の販売部数は1億1400万部で、2008年と比べ1039.6%増加した。

 2010年における米国出版業界の総売上高は279億4000万ドルで、2009年と比べ3.1%増加し、2008年からは5.6%成長した。販売部数は25億7000万部で2009年と比べ2.4%、2008年と比べ4.1%増加した。

 販売チャネル別でみるとオンライン販売の成長が著しい。2010年のオンラインチャネルの売上高は28億2000万ドルで2008年から55.2%増加した。

 カテゴリー別の売上高は、フィクション、ノンフィクション、児童書、宗教関連などを含む消費者向けが139億4000万ドルで2008年より5.8%増加した。大人向けフィクションと児童書が順調に毎年拡大している。高等教育機関向けの売上高は45億5000万ドルで、同23.1%増と大幅に伸びている。K-12(幼稚園から高校)向け教材および教書は55億1000万ドルで同6.2%減少した。医療、法律、ビジネス、技術など専門分野向けは同6.3%増の37億5000万ドル。学術研究関連は同4.7%増の1億9000万ドルだった。

 同調査実行委員会BookStats Committeeの会長を務めるDominique Raccah氏は、「米国出版業界は、かつてない転換期にありながら、健康的に成長している。いずれの分野の出版社も、読者のニーズに応えるためにコンテンツや技術に多額を投じており、その努力が結果につながっている」と述べた。

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