米Gartnerが米国時間2011年8月9日に公表した世界のパソコンOS市場予測によると、「Windows 7」のインストールベースのシェアは2011年の年末までに42%となり、全世界で利用されるパソコンで同OSの割合が最も高くなる。また2011年に出荷される全パソコンにおけるWindows 7の割合は94%になると予測している。

 企業のIT予算が堅調に増加していることから米国の法人市場やアジア太平洋地域でWindows 7の導入が加速している。一方で、中東・アフリカ地域では政情不安、西欧では景気に不透明感が見られ、日本では震災の影響があることから、これらの地域では導入が若干遅れると予測している。

 またGartnerは、Windows 7がMicrosoftのOSの中で、企業などが大規模に導入する最後のOSになると見ている。「将来は多くの企業がWindowsパソコンに代わる、クライアントコンピューティングアーキテクチャを採用するようになり、今後5年間で仮想化やクラウドコンピューティングに移行していく」としている。

 このほか、米Appleの「Mac OS X」搭載パソコンの出荷台数がこの1年で伸びている。2010年、Mac OS Xの全パソコン出荷台数におけるシェアは4%だった。Gartnerはこれが2011年には4.5%に、2015年には5.2%になると予測している。とりわけ成熟市場の消費者のあいだで、iPhone、iPadを含むApple製品のエコシステム(生態系)が受け入れられているという。

 またGartnerは、米Googleの「Chrome OS」「Android」、米Hewlett-Packard(HP)の「webOS」がパソコン市場に及ぼす影響は当面小さいと見ている。これらの軽量OSの端末が従来型パソコンの代替として検討されるためには、まずWebブックやメディアタブレットといった新たなクラインアント端末のOSとして確固たる地位を築く必要があり、「2015年までは企業向けパソコン市場におけるWindowsの地位に影響を及ぼすことはないだろう」としている。

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