マーケティングリサーチのクロス・マーケティングは2011年8月9日、IT関連業務従事者のクラウド・コンピューティング認知度が86.1%に達して9割に迫るとの調査結果を発表した。1年前の調査と比べて、イメージは前向きにとらえられつつあるという。

 国内企業に勤務するIT関連業務の従事者を対象にしたネット調査で、アンケートモニター651人の回答を集計した。調査日は7月13、14の2日間。

 クラウド・コンピューティングの認知度では、「見聞きしたことがあり、内容もよく知っている」が58.1%で、「見聞きしたことがあるが、内容は分らない」(28.0%)を合わせて86.1%に達した。

 領域別では、「SaaS」の認知度が最も高く58.0%。そのほかの「DaaS」(41.6%)、「PaaS」(42.4%)、「IaaS」(42.3%)は、いずれも半数には届かなかった。

 クラウド・コンピューティングに対するイメージでは、それぞれネガティブとポジティブな内容を持つ認識・評価を選択してもらい、1年前に実施した前回調査と比較した。

 その結果、ポジティブな評価が強かったのは「利用価値がある」(78.0%)、「新しいトレンドとなっている」(72.3%)、「これからITの主流となっていく」(69.1%)で、それぞれ前回から5.9、9.1、11.2ポイント増加。

 逆にネガティブな評価は「定義があいまい」(65.7%)や「ベンダーによって言うことが違う」(59.1%)があがり、それぞれ前回から5.3、4.0ポイント減少していた。

 クラウド・コンピューティングへの関心は、全体では45.1%で前回比2ポイント減少したものの、1000人以上の企業規模で「関心がある」が5.8ポイント増加。また、主要ITトレンド/キーワードの中では、「災害対策/節電対策」(56.7%)に次いで2番目に「関心がある」が多かった。

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