日経コンピュータの報道によって明らかになった地方銀行などのインターネットバンキングシステムで多発している不正アクセス問題(関連記事1関連記事2)で、少なくとも2行以上の地銀で、預金の不正な引き出しや不正アクセスなどの被害が起きていることが分かった。

 被害を受けたのは和歌山県の紀陽銀行と、北海道銀行である。紀陽銀は7月13日、ネットバンキングの利用者2人から「身に覚えのない出金がある」との問い合わせを受けた。同行向けにネットバンキングサービスを提供しているNTTデータにも報告し、被害状況を調査した。

 その結果、「当行のシステムが不正に侵入されたり情報を不正に取得されたりした形跡はない」(広報)という。日経コンピュータがNTTデータに問い合わせたところ、同社は「当社のシステムから情報が漏洩した事実は確認されていない」と回答した。

 北海道銀は、本誌の調べによるとネットバンキングシステムに不正アクセスを受けた。同行の広報は「警察の捜査に協力している段階なので詳細は話せない」と回答した。

 このほか、岐阜県の十六銀行は、「不正の疑いのある取引は見つかっているが、警察の捜査に協力中であり、詳細は公表できない」(広報)と回答した。同取引については、「ネットバンキングからのものかどうかも、現時点では不明」(同)だという。