F5ネットワークスジャパンは2011年8月5日、複数のNAS(ファイルサーバー)を束ねて単一のNASとして運用するためのNAS仮想化アプライアンス「F5 ARX」に新モデルを追加し、販売を開始した。全3モデルから全5モデルになり、選択肢が広がった。
新たに追加したモデルは「ARX 2500」(税別1400万円)と「ARX 1500」(税別546万円から)で、ともに既存3モデルの間を埋めるミッドレンジ機種という位置づけ。新モデルを含めた製品ラインアップ全5モデルは、上位モデルから順に、ARX 4000、同2500、同2000、同1500、同500となる。
ARXは、NAS仮想化装置であり、ファイルアクセス(CIFS/NFS)の代理アクセスサーバー(プロキシ)として動作する。複数のNASを束ねて仮想化し、グローバル名前空間(Global Name Space)によって単一のNASとして運用できる。
用途はマイグレーションと負荷分散/ILM
主な用途は2つあり、それぞれの用途に合わせた機能を提供する。
1つは、NAS間でのデータマイグレーション用途である。NASをリプレースする際に、NASの運用を続けながら、古いNASから新しいNASへとデータを移行できる。
もう1つは、複数のNASを束ねて高性能なNASとして運用する用途である。複数NASへの負荷分散によってアクセス性能が高まるほか、性能が異なる複数のNASを階層化するILM(階層型ストレージ管理)機能を利用できる。
なお、周辺製品として、Amazon S3などのクラウドストレージをARXから利用するためのソフト「ARX Cloud Extender」も用意している。各社のクラウドストレージAPIとNASプロトコル(NFS/CIFS)を仲介するゲートウエイであり、ARXの背後に配置することによって、間接的にARXからクラウドストレージを利用できる。
全5モデルの概要は、以下の通り。
名称 | ネットワークI/F | スループット | 扱えるファイル数 | 価格(税別) | 出荷時期 |
---|---|---|---|---|---|
ARX 4000 | 10GbE×2、GbE×12 | 12Gbps | 20億 | 2990万円 | 2007年12月 |
ARX 2500 | 10GbE×2、GbE×4 | 8Gbps | 15億 | 1400万円 | 2011年8月 |
ARX 2000 | GbE×12 | 4Gbps | 15億 | 1290万円 | 2009年12月 |
ARX 1500 | GbE×8 | 3.2Gbps | 3億8400万~7億6800万 | 546万円~ | 2011年8月 |
ARX 500 | GbE×2 | 800Mbps | 3億8400万 | 399万円 | 2007年12月 |