日本IBMは2011年8月4日、朝日生命保険のデータセンターにおける空調の消費電力削減を支援したと発表した。朝日生命はこの施策の結果、データセンターの空調消費電力を4割削減できた。日本IBMは4月末に支援を開始し、6月末には対策を完了させた。

 今回の節電策は日本IBMのファシリティー部門が実施を担当した。具体的には、データセンター内の温度分布や空調機の稼働状況を調査したうえで、(1)サーバーの吸気側に通気穴のついたタイルを配置、(2)ラックの隙間をパネルで閉塞、といった施策を実施した。これにより、冷風が流れる効率を上げたり、冷気と暖気が混ざり合わないようにしたりした。

 結果として、朝日生命のデータセンターでは空調機の還気温度(空調機が吸い込む暖気の温度)を、従来よりも2~3度高められた。給気温度(送り出す冷気の温度)と還気温度の差が大きいほど、空調機を効率的に動作させられる。これにより、年間換算では91万kWhの電力削減となる見込みだ。