米IDCは現地時間2011年8月3日、米Appceleratorと共同で実施したモバイルアプリケーション開発状況に関する調査結果を発表した。それによると、米Appleの「iOS」と米Googleの「Android」の2つのプラットフォームが依然として開発者の強い関心を集めている。この2つはほかのプラットフォームとの差を広げており、しかも加速しているという。

 Appleが2011年秋に正式サービスを始めるクラウドサービス「iCloud」、Googleが現在フィールドテストを行っているSNS「Google+」によって、競争はモバイルOSというプラットフォームを越え、クラウドやソーシャルメディアの分野に広がるとIDCは見ている。同社のMobile & Consumer Connected Platforms部門副社長のScott Ellison氏は、「このことは米Amazon.comや米Facebookといったメジャープレーヤーを巻き込んだ激しい競争をもたらし、新たな市場構図やビジネス機会が生まれることを意味する」と述べている。

 モバイルアプリケーション開発者2012人を対象にアンケートを実施したところ、今後のモバイル利用の普及や企業導入について最も影響を及ぼすと開発者が考えているのは「Google+」で、全体の25%がそう答えた。この後を「iCloud」22%、「NFC(近距離無線通信)」18%、「iOS 5におけるTwitterの統合」14%、「Androidの特許問題」13%、「Amazonが開発中と噂されているタブレット端末」6%と続いた。

 また全体の3分の2が、Googleはソーシャルメディアの分野でFacebookに追いつけると考えている。その理由を尋ねると、68%が検索、YouTube、地図サービスといったGoogleが持つ技術資産が強みになると答えた。また49%がGoogle+の機能である「+Circles」「+Sparks」「+Hangouts」はFacebookよりも革新性があると考えている(関連記事:「Google+」が招待発行を一時再開、試験ユーザーを2倍に)。

 アプリケーション開発について開発者が関心を示す端末は、3カ月前と大きな変化は無く、iPhoneが91%でトップとなった。iPadが88%でこれに次ぎ、Androidスマートフォンが87%、Androidタブレットが74%となった。また端末ではないが「HTML5を使ったモバイルアプリケーション」が66%で5位に入った。

 以下は、Windows Phone(30%)、BlackBerryスマートフォン(28%)、BlackBerry Playbook(20%)、HP TouchPad(18%)、HP Palm Pre(12%)、Symbian(7%)、MeeGo(5%)の順だった。

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■変更履歴
第2段落で「2010年秋」とあったのは「2011年秋」の誤りでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2011/8/4 21:50]