写真●NTTデータの榎本隆代表取締役副社長執行役員
写真●NTTデータの榎本隆代表取締役副社長執行役員
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 NTTデータは2011年8月2日、2011年度(2012年3月期)第1四半期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比3.4%増の2702億円、営業利益は同10.4%減の115億円だった。米キーンなど連結対象の子会社が増えたことで増収となったが、節電対策コストの発生や、東日本大震災の影響による国内子会社の利益減、独サークエントの赤字などにより、国内外で利益が減少した。

 セグメント別に見ると、金融や公共などのパブリック&フィナンシャルカンパニーは、売上高が前年比2.1%減の1738億円。足利銀行が地銀向け共同利用型システム「地銀共同センター」の利用を始めるなどしたものの、「昨年同期のほうが金融機関向けのサービス開始が多かった」(榎本隆代表取締役副社長執行役員、写真)。一方で、「これまで売り上げが落ち続けていた公共分野がやっと下げ止まったと感じている」(同)という。

 製造や流通など、金融以外の法人向けビジネスを担うグローバルITサービスカンパニーは、売上高が前年比16.4%増の857億円。連結対象の子会社が増えたことで売り上げが大きく伸びた。ネットワークやクラウドサービスなどを担当するソリューション&テクノロジーカンパニーは、売上高が前年比3.1%減の381億円だった。震災の影響によるIT投資抑制などが響いた。

 通期の業績予想は修正しなかった。2012年3月期の業績予想は、売上高が前年比3.3%増の1兆2000億円、営業利益が同2.2%増の800億円。榎本副社長は、「子会社がスロースタートだったが、第2四半期以降は業績が回復し、当初の目標を達成できると考えている」と話した。