日本レコード協会(RIAJ)は、同協会会員レコード会社10社が、インターネットサービスプロバイダー(ISP)2社を被告とする訴訟を2011年7月7日に東京地方裁判所に提起したと2011年7月29日に発表した。ファイル交換ソフトを利用してインターネット上で音楽ファイルを不正にアップロード(公開)しているユーザー11名の氏名などの開示を求めている。

 RIAJの会員レコード会社は、上記ユーザー11名が各社の著作隣接権(送信可能化権)を侵害しているとして、プロバイダ責任制限法に基づきユーザーの氏名や住所などの情報(発信者情報)を開示するように、2010年8月から12月にかけてISP2社に対して求めていた。これに対しISP側は、裁判所の判断なしに発信者情報を開示することを控えると回答したことから、今回の訴訟提起に至ったという。

 2009年には、RIAJの会員レコード会社がISPに対して不正アップロードユーザーの発信者情報開示請求を行い、情報が開示されたユーザーのうち3名が、各々約100万円の損害賠償を支払うことで合意した。また、2010年8月から12月にかけて同様の発信者情報開示請求により15名の情報が開示されており、今後、レコード会社とこの15名との間で損害賠償支払いの交渉が行われる予定となっている。

 RIAJは「ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害対策協議会(CCIF)」に2010年4月から参加しており、ファイル共有ソフト「Winny」を利用して音楽ファイルなどをアップロードしている利用者に対して、注意喚起するメールの送信をISPに依頼している。2011年7月21日までに、その依頼数は2501通に上っているという。

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