総務省は、V-Lowマルチメディア放送に関連して、公式でかつ非公開のヒアリングを2011年8月に実施する。V-Lowマルチメディア放送について総務省は、地域情報メディアとしての活用も含む検討を研究会などで行ったあと、2011年1~2月には制度の枠組みに関する意見募集と参入希望調査も実施した。ところが、その後に東日本大震災が発生し、特に地域防災情報の確保・強化や被災地の生活支援が新たに考慮すべき事項として健在化してきたということも踏まえて、今回のヒアリングを実施する。

 ヒアリングでは、地域防災情報の確保・強化を含めて、V-Lowマルチメディア放送の具体的なハード整備・出資計画、ソフトのビジネスモデルなどについて、事業参入を考えている事業者の意見・情報を公式に聴取する。ヒアリングは、1~2月に実施した参入希望調査において参入希望を表明した事業者の中から、ハード/ソフト/その他の事業内容や、地域などのバランスを考慮しながら約20社を対象に実施する計画である。

 ヒアリングで聴取した結果については、可能な限り関係者の間で共有できるようにする。V-Lowマルチメディア放送については、FMラジオ放送、AMラジオ放送、コミュニティ放送、道路交通情報関連、自治体、端末機器メーカーなど様々な分野・業種から地域防災を含む様々な角度で関心が寄せられている。情報の共有には、隣り合う領域の事業者同士が互いの考えを知って理解することで「化学反応」を起こし、事業の立ち上げの円滑化を促進するねらいもあるようだ。