写真1●SAP BusinessObjects Information Stewardの画面例(データ・プロファイル画面)
写真1●SAP BusinessObjects Information Stewardの画面例(データ・プロファイル画面)
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●SAPジャパンでソリューション営業統括本部BA&T事業開発部EIM事業開発マネージャを務める坂本環氏
写真2●SAPジャパンでソリューション営業統括本部BA&T事業開発部EIM事業開発マネージャを務める坂本環氏
[画像のクリックで拡大表示]

 SAPジャパンは2011年8月2日、企業が抱えるデータの妥当性を担保するソフト「SAP BusinessObjects Information Steward」を出荷した。データベースに格納されているデータやBIソフトで分析しているデータが信頼できるデータかどうかを把握できるようにし、データの品質改善プロセスを支援する。

 EIM(企業情報管理)製品群の一つであり、企業のデータ資産の信頼性を継続的に維持するための機能群を提供する。個々のBI画面で分析しているデータの信頼性や鮮度が分かるほか、データ品質を改善するためのデータ加工ルールなどを定義できる。別途、ETLやクレンジングなどの機能を提供するデータ加工ソフト「BusinessObjects Data Services」やBI基盤製品と組み合わせて利用する。

 機能は大きく三つある。(1)あるべきデータと実際のデータの乖離を把握する機能(プロファイリング、写真1)、(2)あらかじめ定めたルールと照らし合わせてデータ品質を数値化する機能(品質監視)、(3)データの流れ(データソースが加工されてBIソフトで使われる様子)を追跡し、データ品質の影響やデータ変更の影響を評価する機能(メタデータ分析)---である。

 分析対象となるデータは、企業データのメタデータ(データがどのようなデータなのかを表すデータ)である。SQLアクセスやフラットファイル経由でメタデータを収集してリポジトリに統合する。データを変更した際の影響度分析などのために、メタデータ同士を関連付けて管理する。データの信頼性を可視化するUI(ユーザーインタフェース)はAdobe Flexベースである。

 「データを活用する際には、そのデータが正確であることが大前提」(SAPジャパンでEIM事業開発マネージャを務める坂本環氏、写真2)。しかし現実には、データが正確かどうかは分からない。例えば、データが誤っていたり欠如していたりする。重複があったり、表現方法に一貫性がなかったりする。業務ユーザーが必要とするデータにアクセス権限がないこともある。Information Stewardは、こうした状況を把握して改善するのに役立つ。