ソーシャルメディアやスマートフォンを活用したマーケティングプランを立案するコンテスト「applim+」のキックオフイベントが、2011年7月31日に開催された(写真1)。
applim+は、学生団体applimが主催する学生向けコンテスト。2010年夏に開催されたソーシャルアプリをテーマとした第1回、2010年秋に開催されたスマートフォンをテーマにした第2回に続く開催となる。今回のapplim+は、これまで2回の開催と違って、優秀作として選ばれたアイデアが、商材を提供する協賛企業によって実装される。今回の商材は、資生堂の「マジョリカ マジョルカ」と、日本コカ・コーラの「ジョージア」である。各ブランドについて60チームずつがエントリーしている。7月31日のキックオフイベントには、社会人メンター(助言者)を含め、500人が参加した。
キックオフイベントの基調講演に登壇したのは、学生などを対象に起業支援するブレークスルーパートナーズ マネージングディレクターの赤羽雄二氏。
赤羽氏の講演では、参加する学生を力付ける言葉が続いた。最近、世界的に注目を集めるソーシャルメディアサービスを紹介し、「現在は10~20年に一度の大変革期でソーシャルビジネスにチャンスが到来している」という。投資トレンドに関しては「さっさとサービスを立ち上げるLean Startup」に向かっているとし、米ペイパル創業者が若い才能に対して投資する例などを挙げて「イノベーションを加速する世界の動きがすごい」と解説した。
さらに、ブレークスルーパートナーズが主催する短期集中の起業支援イベント「ブレークスルーキャンプ 2011 Summer」など起業支援のイベントやWebサイトなどを紹介、「起業支援のためのイベントが増えているという点では、日本も少しずつシリコンバレーに近づいている」とした。一方で足りないものとして「大規模投資をするベンチャーキャピタル」「大企業から独立する技術者」「事業に成功したエンジェル投資家」などを挙げた。
コンテスト参加者へのアドバイスとしては、チームの生産性が上がらない場合にはリーダーを交代すること、常にポジティブなディスカッションをすること、アウトプットイメージを明確にすること、などを挙げた。
講演の締めくくりとして「いまは起業のためのボトルネックはなくなった。デジタルネイティブ世代が時代を動かすようになった今、モバイル先進国である日本の我々が世界を動かせるはず」とし、熱意、向上心、柔軟性をもって大きなことに挑んでほしいとした(写真2)。
協賛社の資生堂と日本コカ・コーラの担当者からは、今回の商材となる両ブランドの特徴、プロモーション方向性やこれまでの活動実績、開発検討に当たって必要なことや要望を説明した。
applim事務局からは、代表を務める矢ノ目亮氏が、開催の狙いや審査時のポイント、審査スケジュールなどの詳細を解説した。最後に、同じ大学生の立場から「ソーシャル×マーケティングの分野で社会に影響を及ぼす成果物を出そう」と呼びかけた。
今後は、8月20日に開催されるメンターからのアドバイスを受けるフィードバックイベントを経て、9月4日の決勝レセプションを迎える。