富士通は2011年7月29日、Java/COBOL開発実行環境など、既存ミドルウエア4製品のWindows Azure専用版を出荷した。Azure環境に合わせたインストーラやパラメータの設定などを施してある。売り切り型のライセンスに加えて、2011年8月1日には月額制のSaaS/PaaS版も提供開始する。

 今回のAzure専用版は、いずれも既存のミドルウエアの機能をそのまま踏襲し、Azure専用の拡張を施したものである。(1)Java開発実行環境、(2)COBOL実行環境、(3)ジョブスケジューラ、(4)帳票作成ソフト、の4製品を用意した。従来の業務アプリケーションでは主流のミドルウエアだが、Azure環境においては足りていない機能群である。

 Azure専用版と既存版の違いは、大きく二つある。一つは、Azure環境へのインストールを支援する専用のインストーラが含まれていること。もう一つは、Azure上で実稼働させる際の設定として、メモリーの制限や終了プロセスの消去など、Azureに適した設定が標準で施されていることである。

 ライセンス費用は、Azure版と既存版に違いはない。製品名称と価格(税別)は、それぞれ以下の通り。(1)Java開発実行環境の「Interstage Application Server V1 powered by Windows Azure」は、55万円から。(2)COBOL実行環境の「NetCOBOL運用パッケージ V1 powered by Windows Azure」は135万円から。(3)ジョブスケジューラの「Systemwalker Operation Manager V1 powered by Windows Azure」は30万円から。(4)帳票作成ソフトの「Interstage List Creator V1 powered by Windows Azure」は130万円から。

 なお、Azure専用版のミドルウエアは、売り切り型のライセンスに加えて、月額制のSaaS/PaaS型サービスとしても提供する。ただし、この場合、富士通のAzureサービス「Fujitsu Global Cloud Platform FGCP/A5 Powered by Windows Azure」(FGCP/A5)を利用する必要がある。

 SaaS/PaaS型サービス4種類の名称と1ライセンス当たりの月額費用は、以下の通り。(1)「Interstage Application Server Javaアプリケーション実行基盤」は、2万7500円。(2)「NetCOBOL COBOLアプリケーション実行基盤」は、6万7500円。(3)「Systemwalker Operation Managerジョブ管理」は、1万5000円。(4)「Interstage List Creator帳票出力」は、6万5000円。