電通とジュピターテレコム(J:COM)は2011年7月29日、J:COMのVODサービス「J:COM オン デマンド」のプラットフォーム上で、新たな広告モデル「CM割」を開発し、2011年9月1日から3カ月間のトライアルサービスを開始すると発表した。

 CM割では、番組視聴前に、あらかじめ用意されたCMの中から見たいCMを1つ選んで視聴することで番組視聴料が105円引きになる。これにより、VODサービス内で新たな広告モデルを展開する。J:COMはCM割の仕組みを導入することで、J:COM オン デマンドの利用を高めたいと考えている。まずは第一弾として、TBSが過去に放送した人気ドラマなど16タイトルで「CM割」を開始する。

 CM割では、CMを複数用意し、視聴者は自分が興味を持つCMを自ら選んで視聴する。その上で番組を割引で見ることができるため、CM視聴前に既に好意的な姿勢を持ってCMに接触することとなり、好意・共感を醸成しやすい環境でのCM視聴を実現できるという。

 CM割の広告主へのセールスは電通が行う。60秒~180秒という長尺タイプのCM素材を各種用意する。広告主が支払う広告費用は、視聴実績に応じての請求になる。

 さらに、視聴者が利用時に性別・年代とCMを見ての簡単なアンケートを入力するようになっている。広告主は「どんな人がどれくらい視聴したのか」「CMは良かったのか」が分かる。

 電通とJ:COMは、テレビ双方向時代の新たな広告モデルについて、共同で研究を進めている。テレビのデジタル化・大容量HDDやオンデマンドサービスの普及などにより、テレビのタイムシフト視聴やプレースシフト視聴が広がっていくことが想定される。その中で、テレビCMをより効率的に、より確実に視聴者に届けていくための一つの方向性として、視聴者の嗜好に応じてテレビCMを届ける広告モデル「CMオンデマンド」プロジェクトを進行しており、今回実施するCM割もこのプロジェクトの一環という。

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