データ・アプリケーション(DAL)は、EDI(電子データ交換)ソフトの新版2製品を2011年7月29日に出荷する。(1)企業間EDIに特化した「ACMS B2B 3.8」と、(2)企業間EDIに加えて社内システム連携(EAI)機能を追加した上位版「ACMS E2X 3.8」である。新版では、プル型EDIプロトコルのクライアント・ソフトを搭載した。価格は、ACMS B2B 3.8が100万円(税別)から、ACMS E2X 3.8が150万円(税別)から。

 ACMS B2B/E2Xは、Javaアプリケーション・サーバー上で動作するEDIパッケージ・ソフトである。EDIプロトコルとして、XML標準化団体のOASISなどが定めた「ebXML MS」、IETFのワーキング・グループEDIINTが定めた「EDIINT AS2」、流通システム開発センターがSOAP-RPCをベースに規定した日本国内仕様の「JX手順」などの最新手順や「全銀協手順」「全銀TCP/IP手順」「取引先データ交換標準通信制御手順」(JCA手順)などのレガシー手順を利用できる。

 EDIサーバーを用意することが難しい小規模な卸会社やサプライヤとの間でEDI取り引きを実現するための機能に注力している。具体的には、クライアント・サーバー(C/S)型で動作してクライアントからサーバーに定期的に情報を取得しにいくプル型のEDIプロトコルとして、JX手順のサーバー機能と、ebXML MS 3.0のサーバー機能およびクライアント機能を提供する。

 これらのプロトコルのクライアント機能を利用する中小サプライヤは、必要に応じてサーバー側企業のACMS B2B/E2Xにアクセスし、EDIデータをプル型で取得する。EDIINT AS2などのような、データが発生したタイミングで通信するプッシュ型配信のプロトコルとは異なり、サーバー機能を用意して立ち上げておく必要がないため、小規模な会社でもシステムを導入しやすい。

 今回の新版では、ebXML MS 3.0のサーバー機能に加えて、Java上で動作する汎用のebXML MS 3.0クライアント・ソフトを標準で用意した。これまでは、クライアント機能を使う場合は、別会社の製品を用意するか、社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が無償で提供するJavaベースのWindowsコマンド・プログラム「JEITA共通クライアント Ver 2.0」などを別途使う必要があった。