ムビチケの高木文郎社長
ムビチケの高木文郎社長
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開発中のムビチケの画面。
開発中のムビチケの画面。
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左から、日本マイクロソフトの樋口泰行社長、ムビチケの高木文郎社長、角川グループホールディングスの角川歴彦会長
左から、日本マイクロソフトの樋口泰行社長、ムビチケの高木文郎社長、角川グループホールディングスの角川歴彦会長
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 角川メディアハウスの子会社であるムビチケは2011年7月26日、映画の前売り券をインターネット上で購入でき、座席の予約も可能になるサービス「ムビチケ」を発表した。サービス開始は8月下旬を予定している。

 近年、大手の映画興行会社では、インターネット上で鑑賞券を購入すると同時に座席を予約できるサービスを提供している。しかし、あらかじめ紙の前売り券を購入していた場合、座席予約サービスが利用できず、当日に行列に並ぶこともある。

 こうした不都合を解消するのが、ムビチケの新サービス。ムビチケで公開前の映画を選んで“電子前売り券”を購入すると、ムビチケの「チケット番号」が手に入る。これを、各映画興行会社のWebサイトで入力すると、座席の予約が可能になる仕組みだ。前売り券の価格は一般1300~1400円で、紙の前売り券と同等。当初はクレジットカード決済だけだが、コンビニエンスストアでの決済も予定している。

 電子前売り券は、パソコンのほか、近々発売される見込みのスマートフォン「Windows Phone」からも購入できる。その他のスマートフォンやタブレット端末についても、順次対応する。

 ムビチケの前売り券が使える映画興行会社は、角川シネプレックス、佐々木興行(シネマサンシャイン)、松竹マルチプレックスシアターズ(MOVIX)、東急レクリエーション(109シネマズ)、TOHOシネマズ、ユナイテッド・シネマの6社。これは国内のスクリーン数では約50%のシェアになるという。

 前売り券の販売数は初年度で200万枚、3年後には500万枚を予定。また、このサービスにより、映画鑑賞者数を3年で20%増やすことを目指している。

 また、購入した前売り券を第三者にメールでプレゼントできる「ギフト機能」も数カ月以内に実施する。前売り券の販売によって得られた売上データなどを映画興行会社のマーケティング用途に提供するビジネスも予定している。

 なお、このようなサービスの実現には、システム上で膨大な処理が発生することに加え、ピーク時にトラフィックがどこまで高まるのかも予測しにくい。そこでムビチケでは、日本マイクロソフトと提携し、Webサイトを同社のWindows Azure Platform上に構築。将来システムの拡張が必要になったときにも柔軟に対応できるようにした。

 ムビチケの高木文郎社長は、「これまでは、映画を見たくなったときにすぐ前売り券を買える仕組みがなかった。ユーザーの利便性を向上させることで、映画業界の発展に貢献したい」と意気込みを語った。