写真●シスコシステムズの石本龍太郎専務執行役員データセンタ/バーチャライゼーション事業統括(撮影:皆木 優子)
写真●シスコシステムズの石本龍太郎専務執行役員データセンタ/バーチャライゼーション事業統括(撮影:皆木 優子)
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 「私どもは元々ネットワークの会社だったが、現在はサーバーやクラウド上のアプリケーションも提供している。クラウドに関わるエンド・ツー・エンドのソリューションを提供できる」---。

 2011年7月26日から東京国際フォーラムで開催中のクラウドコンピューティング専門セミナー「日経BP Cloud Days Tokyo 2011 SUMMER CONFERENCE」において、シスコシステムズの石本龍太郎専務執行役員データセンタ/バーチャライゼーション事業統括が登壇し、同社の取り組みを紹介した。

 クラウドの利用にはネットワークが欠かせない。現在のネットワークには画像や音楽、動画など様々なコンテンツが流れる。また、ネットワークにつながる端末もスマートフォンやタブレット端末など多様化している。「インターネットにつながる端末はおそらく1兆台を超える。アプリケーションは100万個、コンテンツは1ゼタバイト(1テラバイトの1億倍)を超える」(石本氏)。

 こうしたインターネットやクラウドの環境を支える、ネットワークとコンピューティングをシスコは提供するという。「サービス事業者のパブリッククラウド構築を支援するし、ユーザー企業のプライベートクラウド構築も支援する。ユーザーがパブリッククラウド、プライベートクラウドを接続して使い分けるための『クラウドのネットワーク』も提供していく」(石本氏)。

 シスコ自身もクラウドコンピューティングの導入を進めている。全世界に保有する47カ所のデータセンターを、「CITEIS」(Cisco IT Elastic Infrastructure Services)という名称のプライベートクラウドに順次刷新している。「従来は部門ごとにサーバーの管理がサイロ化されていて、開発部門が開発用サーバーの調達のために2カ月以上を費やしている状況だった」(石本氏)。

 CITEISでは仮想化を導入した段階で、サーバーのデリバリー期間を2~3週間に短縮した。今後は自動化の仕組みも導入し、ユーザー部門が必要なシステム構成をWebで入力すると、15分でサーバー、ネットワークインフラを提供する環境に変えていく。コストも削減できたという。仮想化を導入した段階で37%のコスト削減となり、自動化の導入ではさらに31%のコスト削減を見込んでいる。