ソリトンシステムズは、映像伝送システム「Smart-telecasterシリーズ」の新製品としてHDTV映像入出力に対応し、高画質なモバイル伝送の実現を図った「Smart-telecaster HD」を開発、7月31日より販売を開始する。

 Smart-telecasterは、ビデオカメラで撮影した映像を、FOMAなどの無線通信回線を使って、リアルタイムに伝送する。ソリトン独自の技術を実装し、揺らぎの大きいモバイル回線上でも安定して継続した映像中継が可能という。一般的に大掛かりな設備を必要とする映像の中継システムがコンパクトかつ低コストで運用でき、企業から公的機関まで幅広く利用されていると説明する。東日本大震災でも災害救助活動に使われているという。

 今回の開発品は、いわゆるフルHD(1920×1080画素)での映像入出力に対応する。放送用/業務用インターフェース「HD-SDI」と、家電製品むけインターフェース「HDMI」の両方をサポートする。符号化技術を一新し、映像符号化技術としてVP8、音声符号化技術にVorbisを採用した。

 複数の無線通信回線のデータカードを使用して伝送するマルチリンク(回線束ね機能)も実装する。この機能を使うことで、映像伝送のさらなる安定化が図ることができる。光回線やADSL回線、公衆無線LANなど固定のインターネット環境を使用することで、更に安定した映像伝送が可能になる。

 Smart-telecasterHDは、従来からの暗号化、接続認証などのセキュリティ機能をそのまま継承している。放送局での中継用途に加えて、公共性の高い警察、消防、医療などの分野での利用拡大を想定する。

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