図●日本マイクロソフトと富士通による被災動物の共同支援策の概要
図●日本マイクロソフトと富士通による被災動物の共同支援策の概要
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 日本マイクロソフトと富士通は2011年7月25日、東日本大震災の被災地で保護されたペットの情報を両社のクラウド基盤を通じて集約し、飼い主との再会や新たな飼い主探しを支援するという取り組みを開始したことを発表した。

 日本マイクロソフトは4月14日からクラウドサービス「Windows Azure」を基盤とする「MSNペットサーチ」を、富士通は5月2日よりクラウドサービス「FGCP/S5」を基盤とする「被災動物救護支援サービス」という被災動物支援関連サービスをそれぞれ提供している(関連記事:被災したペットの飼い主探しや里親を募集できるサービス、マイクロソフトが提供)。

 今回の試みは、二つのクラウドサービス間でシステム連携を実現し、保護動物の情報を集約してWeb上で公開する仕組みを構築するというもの。具体的には、「宮城県緊急災害時被災動物救援本部」が保有する保護動物のデータ(保護した場所や個体の特徴、写真など)を富士通が被災動物救護支援サービス上で集約し、情報公開に必要となるデータのみをMSNペットサーチに送信。MSNペットサーチ側では、受け取ったデータを元々提供している緊急災害時動物救援本部からの保護動物データと統合して一般ユーザーへ提供する()。

 両社によれば、現在、同取り組みの成果として石巻動物救護センター(宮城県)などで保護している約50頭の動物の情報を既に公開しており、今後、順次増やしていく予定だという。両社では今後、より多くの自治体や動物保護団体に対して本システムの利用を働きかけるとしている。さらに、将来的には被災動物に限らず、飼い主を失った動物の情報を掲載することも検討しているといい、「情報を恒常的に集約・公開することにより、国内での保護動物の殺処分件数低減などに貢献する」(両社)ことを視野に入れているという。