台湾Acerは現地時間2011年7月21日、クラウドコンピューティング技術の米iGwareを買収する計画を明らかにした。買収額は3億2000万ドルで、業績に応じて7500万ドルを追加で支払う。これにより、Acerはクラウドコンピューティング市場に参入する。

 AcerはiGwareの技術を利用して独自のクラウドインフラ「Acer Cloud」を構築し、Acer製品を利用する顧客へのサービスや機能の拡充と、ブランド価値の強化を図る。

 iGwareはカリフォルニア州に本拠を置く企業で、同社のクラウド向けソフトウエアやインフラ関連ツールは、任天堂のゲーム端末「Wii」「iDS」「3DS」向けのオンラインサービスなどに使われている。将来は「Wii U」もサポートする予定。

 Acer会長兼最高経営責任者(CEO)のJ.T. Wang氏は、「Acer Cloudの目的は、当社ユーザーが情報通信端末やコンテンツ、リソースを手軽に活用し、管理する手段を提供すること。当社のパソコン、タブレット端末、スマートフォンなどすべての製品を集約し、安全な環境で楽しめるようにする」と述べた。Acer Cloudに対応した最初の製品は2012年に投入される見通し。

 買収後、iGwareは「Acer Cloud Technology」に名称を変更する。米メディアの報道(Wall Street Journal)によると、Acerは2011年9月には買収手続きが完了すると見込んでいるという。

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