米エバーノートは2011年7月21日、同社初のアプリケーション開発コンテスト「Evernote Developer Competition」において、日本在住の開発者を対象にした特別賞「Japan Prize」の受賞2作品を発表した。

 「最も実用性に優れた連携アプリケーション」というカテゴリで選出したのは「EverFinder for Mac」だ。これは、Evernoteのノートを高速に検索し、目的の情報を効率的に探し出すためのアプリである。

 エバーノートは同アプリの受賞理由を「Evernoteを活用するユーザーにとって、快適に使える検索方法と速度、シンプルなインターフェースが提供されており、Evernote単体利用時のみならず、Evernoteと連携する各種アプリ・サービスすべてに対して、パフォーマンス向上が期待できることが評価された」としている。

 当初予定していたもう一つのカテゴリ「震災に役立つアプリケーション」については該当作がなかった。その代わり「Evernoteの新しい可能性を提示した連携アプリケーション」という新たなカテゴリが設定され、「Region of Interest」が選出された。これは、Evernoteのノートに含まれる単語数を抽出し、グラフ化するWebアプリケーションである。例えば学校の授業で、何人かの学生に、Evernoteを使ってメモを取ってもらっているとする。教師側は、Region of Interestを利用してこれらのメモを分析することで、“学生達が今どれだけ関心を持って授業を受けているか”を把握しやすくなる。

 エバーノートは「Evernoteでノートをとるというユーザーの行動を、興味の度合いとして計測し、数値化して可視化するアプリケーションで、『ノートに書き込む』という行為に、新しい付加価値を与えている。これまでにはない新しいEvernote活用の形を提案した、斬新なアイディアと実装が評価された」と、受賞理由を説明している。

 同社では「今後も引き続き、『被災者支援』『産業復興』『安心・安全』をテーマにした開発コンテスト『A3 Together』を通じて、震災復興に寄与するアプリケーションやサービスの応募を働きかける」としている。

 Japan Prizeは、エバーノートと慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科が共同企画として実施したもの。受賞者は8月に米国で開催される開発者イベント「Evernoteトランク・カンファレンス」(ETC)に招待され、同イベントでの受賞プレゼンテーションの場が設けられる。加えて、シリコンバレーで投資家などとの面談の機会も与えられる。そのほか副賞として賞金50万円が贈られる。なおエバーノートは、Evernote Developer CompetitionにおけるJapan Prize以外の受賞作品を、ETCで発表する予定である。