写真1●米グーグルのアミット・シング グローバルセールス&ビジネスデベロプメント担当副社長
写真1●米グーグルのアミット・シング グローバルセールス&ビジネスデベロプメント担当副社長
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写真2●戸田建設の佐藤康樹氏(建築企画部企画3課/総合企画室情報管理課)
写真2●戸田建設の佐藤康樹氏(建築企画部企画3課/総合企画室情報管理課)
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 グーグルは2011年7月20日、同社の企業向けサービスの現状と方向性について説明会を開催した。企業向けビジネスを統括するアミット・シング グローバルセールス&ビジネスデベロプメント担当副社長は「日本では東日本大震災が起きたことで、BCP(業務継続計画)推進の一環としてGoogle Appsを検討する流れが強まっている」と述べる(写真1)。Google Appsはグーグルが提供する企業向けアプリケーションサービスである。

 国内のユーザー企業では、自社の業務データを他社に任せきりにすることについて不安視する向きも少なからずある。これについてシング氏は、「日本企業は震災を通じて、自社で保有するよりは、全世界で分散管理しているグーグルのデータセンターに預けるほうが安全だと気付き始めた」と述べ、震災後に企業の考え方が変わってきていることを示唆した。

 BCPを推進するためにGoogle Appsの採用に踏み切った企業として、グーグルは戸田建設を紹介した。戸田建設は6月にGoogle Appsの採用を決定。9月にも利用を開始する予定で導入作業を進めているという。同社の佐藤康樹氏(建築企画部企画3課/総合企画室情報管理課)は、Google Appsの導入目的を「BCP推進のため」と明言する(写真2)。

 同社は2011年2月に工事現場や事務所が放火されるという被害に遭った。その後の3月11日には東日本大震災を経験。「各地の拠点にあるデータをどうやって保護していくのかという課題が一気に浮かび上がり、Google Appsの導入を決定するに至った」と佐藤氏は説明する。「Googleが世界各地にデータセンターを分散配置していることが、一番の評価のポイントとなった」(佐藤氏)。

 シング氏はほかにもGoogle Apps内のドキュメント作成・編集サービス「Google Docs」の機能強化の方針について説明した。ピボットテーブルやフォントの拡張など複数の機能強化を進めているという。