写真1●発表会の冒頭でフィルタリング分野の現状などについて説明するデジタルアーツの道具登志夫社長
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写真2●「i-フィルター for Android」の仕組みなどについて説明するデジタルアーツ 経営企画室コンシューマ担当 越智辰夫氏
写真2●「i-フィルター for Android」の仕組みなどについて説明するデジタルアーツ 経営企画室コンシューマ担当 越智辰夫氏
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写真3●フィルタリングルールの設定画面 左側の「フィルター設定ボタン」でフィルター強度(6段階)を選ぶと、該当するカテゴリの組み合わせが右側に表示される。
写真3●フィルタリングルールの設定画面 左側の「フィルター設定ボタン」でフィルター強度(6段階)を選ぶと、該当するカテゴリの組み合わせが右側に表示される。
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 デジタルアーツは2011年7月20日、都内で記者発表会を開催し、クラウド技術を使ったAndroid端末向けのWeb(URL)フィルタリングアプリ「i-フィルター for Android」の提供を開始することを発表した(写真1)。まずは7月21日からAndroidマーケットを通じてベータ版を無償で配付する。対応するAndroid OSのバージョンは2.1/2.2/2.3(2.1のみ8月初旬の対応予定)。提供期間は9月30日まで。

 ベータ版の配付終了後、10月1日からは月額課金制で正式版の提供を開始する予定。価格は現状では未定だが、同社は「テレビやゲーム機向けは月額315円、パソコン向けは月額350円で既に提供している。Android版も似たような価格になるだろう」としている。

 i-フィルター for Androidは、子供に貸し与えるAndorid端末に専用アプリをインストールし、管理者(親)がパソコンを使ってこの専用アプリをクラウド経由で遠隔管理および監視することで、Android端末を安全に利用できる仕組みを提供する。

 専用アプリには、URLフィルタリングに対応した「専用ブラウザー」と、端末内に存在するアプリの利用を個別に制限できる「アプリケーション制限コンポーネント」の二つが含まれている。これらを使って、「標準ブラウザーの利用を禁止し、専用ブラウザーでのみWebアクセスできるという状態を作り出す」(デジタルアーツ 経営企画室コンシューマ担当の越智辰夫氏、写真2)。アプリケーション制限コンポーネントは、ブラウザー以外のアプリの利用を個別制御する目的でも使われる。

 フィルタリング設定は、あらかじめ用意された6段階(ファミリー、小学生、中学生、高校生、大人、フィルターOFF)の「フィルター強度」から選択できる。それぞれのフィルター強度は、「アダルト」や「犯罪・暴力」「出会い系」など67種類に細分化されたカテゴリの組み合わせになっており、まず大まかに強度を選んだ後、必要に応じてカテゴリを追加したり減らしたりできるようになっている(写真3)。同社によれば、フィルタリング可能なサイト数(URLデータベースへの登録数)は約3億5000万に上るという。

子供からの「ブロック解除申請」でアクセス許可を与えることも可能

 URLフィルタリングに関連する機能として、i-フィルター for Androidはほかに、インターネットの利用時間を制限できる「インターネットタイマー」機能や、子供がどういったWebサイトにアクセスしたのかという統計情報や検索したキーワードのランキングなどを確認できる「インターネット利用状況確認」機能などを用意している。

 いくつかある関連機能のうち、特にユニークといえるのが「ブロック解除申請」機能。これは、アクセスしようとしたWebサイトがフィルタリングルールに引っかかってブロック画面が表示された際に、子供から親に対してブロック解除を申請できるようにするものだ。

 例えば「勉強用サイトなのに見られない」といった事態が発生した場合、子供は同機能を使って理由説明付きでブロック解除を要求する。親は、子供から届いた申請に含まれるURLに実際にアクセスし、問題ないと判断できればブロックを解除する。

 同機能を含めたことについて、デジタルアーツは「フィルタリングソフトの利用をやめた理由を調査したところ、実は『子供が不便と言うから』との理由が大きな割合を占めていた。子供の側からブロック解除を申請できるようにすることで、そうした不便さを解消でき、より柔軟な運用が可能になる」と説明している。