米Appleが現地時間2011年7月19日に発表した2011会計年度第3四半期(2011年4~6月)決算は、売上高・純利益ともに四半期ベースで過去最高を更新した。売上高は285億7100万ドルで前年同期の157億ドルから82%増。純利益は73億1000万ドル(希薄化後の1株当たり利益は7.79ドル)で前年同期の32億5000万ドル(同3.51ドル)から約2.25倍に増加した。粗利益率は41.7%で前年同期の39.1%から上昇した。

 「iPhone」の販売台数は2034万台と前年同期から約2.4倍に増加、前期からは9%増となった。タブレット端末の「iPad」は925万台で、前年同期から約2.8倍に、前期からほぼ2倍に増え、iPhone、iPadともに四半期ベースで最高の販売台数となった。また「Mac(Macintosh)」パソコンも前年同期比14%増の395万台となり、販売数は伸びている。一方携帯メディアプレーヤー「iPod」は同20%減の754万台となった。

 Steve Jobs最高経営責任者(CEO)は発表資料の中で、「売上高82%増、純利益125%増という過去最高の決算に興奮している。我々は目下のところiOS 5とiCloudに重点的に取り組んでおり、いずれもこの秋に提供できることを楽しみにしている」と述べた。

 当期の売上高を地域別に見ると、米大陸が101億2600万ドルで前年同期から63%増えた。欧州は70億9800万ドルで同71%増、日本は15億1000万ドルで同66%増加した。アジア太平洋地域は約3.5倍の63億3200ドルと最も高い伸びを示している。

 Peter Oppenheimer最高財務責任者(CFO)は2011会計年度第4四半期(7~9月期)の業績見通しとして、売上高が約250億ドル、希薄化後の1株当たり利益は約5.50ドルと予測している。

 なおAppleについては、海外メディアが決算の話題以外にも様々に報じている。米Wall Street Journalは7月19日付の電子版で、Appleの取締役の一部がSteve Jobs氏の後任探しで人材スカウト業者と接触していると伝えている。また、英The Registerは、Peter Oppenheimer CFOの話として、Appleが次期パソコン向けOS「Mac OS X Lion」の正式版を米国時間7月20日に公開すると伝えている(関連記事:Appleが次期モバイルOS「iOS 5」を今秋リリースへ、「Mac OS X Lion」は7月)。

[発表資料]
[決算表(PDF文書)]