米Citrix Systemsは米国時間2011年7月12日、クラウド構築ソフトウエアを手がける米Cloud.comを買収したと発表した。Citrixは同買収により、クラウド事業者向けインフラ市場における地位強化を図る。なお、買収金額などの詳細については明らかにしていない。

 Cloud.comの主要製品にはクラウドインフラプラットフォーム「CloudStack」が有り、あらゆるタイプのクラウド事業者がシンプルでコスト効率の高いクラウドサービスを運用および管理できるよう支援する。将来版でCitrixブランドとしてリリースすることになる。

 Cloud.comの製品では今後も、Citrixの「XenServer」や米VMwareの「VMware vSphere」といった商用仮想化ソフトのほか、「Xen」などオープンソースのハイパーバイザーをサポートする。米Microsoftの「Hyper-V」や「System Center」などへの対応も進めるという。

 Citrixは、「Cloud.comが当社に加わることで、クラウド時代に求められる仮想化、オーケストレーション、ネットワーキング向けの完璧な製品群を提供することができる。さらに各製品は企業が特定のベンダーに依存することなく、気に入ったハードウエア、管理ツール、サービスプロバイダーを選べるよう設計されている」とし、オープン性と相互操作性に焦点を当てた取り組みを加速する姿勢を示した。

 Citrixは以前よりオープンソースのクラウドインフラプラットフォーム「OpenStack」を支持しており、Cloud.comの製品ラインにOpenStackへのサポートを追加する予定。Citrixは今年5月にOpenStackをベースにした商用ディストリビューション「Project Olympus」を発表し、年内の一般向けリリースを目指している。

[発表資料へ]