富士通と富士通マーケティング(FJM)は2011年7月12日、大企業向け会計パッケージ「GLOVIA SUMMIT GM」を発表した。これまで「GLOVIA/SUMMIT」として販売していた製品を機能強化して名称を変更した。複数仕訳などIFRS(国際会計基準)対応を支援する機能なども標準で搭載する。11年10月末から出荷する予定だ。

 GLOVIA SUMMIT GMは、社内やグループ企業が持つ複数の業務システムから会計関連の明細データを収集・蓄積し、財務会計や管理会計に必要な情報を出力するソフトウエア。FJMソリューション事業本部の渡辺雅彦副本部長は、「業務システムから収集した明細データを、集約や変換をせずに管理できることが特徴」と説明する。

 独自開発のインメモリーデータベースを組み込んでおり、「月1億件の明細データでも分析できる」(渡辺副本部長)。データ分析の高速化により、予算・実績管理や業績予想の作成なども「ストレスなく実行できる」(同)とする。

 標準機能として新たに「仕訳生成エンジン」を搭載した。仕訳生成エンジンは、業務システムや子会社の会計システムとGLOVIA SUMMIT GMとの連携に必要な機能を提供する。システムごとに異なる勘定科目や製品コードを変換したり、データ項目をマッピングしたりする機能などを備える。

 IFRS対応を支援する機能として、収集した明細データの仕訳を複数の判断基準に基づいて生成できる複数仕訳を持つ。複数仕訳を利用すると「IFRSに基づくデータと日本の会計基準に基づくデータの双方を同時に生成できる。管理会計用データを生成することも可能だ」と渡辺副本部長は説明する。

 仕訳生成エンジンのほかにも、「IFRS対応に必要な機能を順次強化していく」(渡辺副本部長)。一方で「税制対応や日本の商習慣を踏まえた機能強化も、従来通り続けていく」と渡辺副本部長は強調する。

 GLOVIA SUMMIT GMの価格は1ユーザー40万円から。クラウド環境への対応について、渡辺副本部長は「自社で提供する計画はない」としながら、「ユーザー企業の情報システム子会社がクラウド環境を使って、グループ会社に提供するケースも想定していく」(渡辺副本部長)という。2年間で700サイトへの導入を目指す。