写真●グローリーが参考出展していた携帯電話向け「電子書籍自動販売機」
写真●グローリーが参考出展していた携帯電話向け「電子書籍自動販売機」
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 2011年7月7日から9日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された電子出版や電子書籍関連の総合展示会「第15回国際電子出版EXPO」。会場内のグローリーのブースでは、同社が開発中の携帯電話向け「電子書籍自動販売機」(写真)を参考展示しており、通りかかった来場者の多くが足を止めて見物していた。

 同自販機の特徴は、電子書籍の購入に当たって会員登録や個人情報の入力などの作業が一切不要な仕組みになっていること。利用者は、自販機のタッチパネルで書籍情報を検索し、読みたい書籍が決まったら表示価格分のお金を投入する。すると、QRコード付きのレシートがその場で発券され、これを携帯電話で読み取ることで同社が用意した電子書籍のダウンロード用サイトにアクセスできる。

 アクセス後、レシートに記載されているアクセスコード(1回限り利用可能なワンタイムパスワード)を入力すると、電子書籍のデータを携帯電話にダウンロードできる。なお、初回アクセス時には、専用のビューア(閲覧用ソフト)も合わせて端末にダウンロードする必要がある。

 電子書籍を販売するための自販機やキオスク(KIOSK)端末の類は様々な企業が開発を進めているが、既存の会員向けサービスの延長線上で「ユーザーを囲い込むための付加サービス」としての提供を考えているケースが多い。そうした囲い込みを行なわず、コンテンツ売り切り型のビジネスモデルを選ぶ理由について同社では、「駅などに設置し、電車などに乗る前の待ち時間などを利用して誰でも気軽に読みたい電子書籍を購入できるようにしたいため」と説明していた。

 グローリーによれば、まずは携帯電話向けの自動販売機として提供を始める前提で開発を進めているが、スマートフォンへの対応についても検討をしている最中だという。