IDC Japanは2011年7月11日、国内の1943社のCIO相当職を対象としたIT投資動向に関する調査の結果を発表した。2011年度のIT投資額は、前年度比で減少させる企業が23.8%、増加させる企業が12.7%と、昨年度とほぼ同程度の増減割合となった。東日本大震災の影響で意識が高まった点は「リスク管理の強化」「バックアップセンターの強化」「情報システムの省エネルギー化」の3項目が多かった。

 IT投資額については、金融危機後の2009年を底に回復傾向にあった。2011年度は東日本大震災の影響で縮小する傾向もあったが、金融危機からの回復傾向との相殺で昨年度と同程度にとどまった。全体として企業のIT投資マインドは中期的には下げ止まっているとIDCは分析する。

 東日本大震災の影響によって高まった意識としてCIOが挙げたのは、「リスク管理の強化」が29.7%、「バックアップセンターの強化」が17.9%、「情報システムの省エネ化」が11.0%だった。従業員数1000人以上の大企業に限ると、「リスク管理の強化」が31.6%、「BCP/DRの強化」が26.0%、「バックアップセンターの強化」が25.1%、「情報システムの省エネ化」が22.3%と、BCP/DRを重視する傾向が見られた。