Fujimi IIIの外観。5Uに10台を搭載する。電源は独立している
Fujimi IIIの外観。5Uに10台を搭載する。電源は独立している
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 アームズは2011年7月11日、冷房を使わないマシン室やデータセンターに向けて、摂氏50度での稼働を保証する省電力PCサーバー新機種「Fujimi III」を発表した。新機種では、省電力重視のAtom搭載機に加え、Atom搭載機と同じ実装密度でCore i7搭載機を用意した。2011年8月1日に販売開始/出荷する。価格はオープンだが、参考価格でAtom搭載機10台の最小構成が66万円(税別)。

 Fujimi IIIは、冷房を使わない環境向けに、摂氏50度環境までの環境での稼働を保証したPCサーバー機。東芝製ハードディスクなど、動作保証温度が高い部品を採用した。加えて、1台あたりの消費電力を抑えることによって、実装密度を高めた。冷房を前提としないサーバー機でありながら、5Uのスペースに原則10台(ラックの両側から搭載すれば20台)を格納する。

 新機種では、省電力重視のAtom D510(2コア)搭載機に加え、Atom搭載機と同じ実装密度のまま、新たにCore i7(4コア)搭載機を用意した。サーバー1台あたりのCPUソケット数は1つで、消費電力はそれぞれAtom搭載機が30W(ディスク1台搭載)~35W(ディスク2台搭載)、Core i7搭載機が100W(ディスク2台搭載)。なお、Core i5/i3搭載機の発注もできる。

 参考価格は、以下の通り。Atom D510搭載機は、ディスク1台を備えて6万5000円(税別)から。Core i7搭載機は、ディスク2台を備えて14万円(税別)から。最小注文台数は、サーバー10台(1セット)。なお、サーバー取り付け棚は、空調ファンなしの標準モデルが1万円(税別)、集中冷却ファンを搭載したモデルが2万円(税別)。

 ラックの寸法や冷却効率に応じて、ラックの両側から搭載することで、5Uのスペースに20台まで搭載できる。サーバー機の奥行き寸法は410ミリメートル。取り付け金具は、ラック支柱面からサーバー機が前面にはみ出る量を、20、30、40、55ミリメートルで調節できる。55ミリメートルで設定した場合、サーバー機の奥行は、ラックの支柱から355ミリメートルになり、ラック支柱前面から55ミリメートル手前がサーバー機の正面位置になる。

 なお、Fujimi IIIの導入事例として、SIベンダーの日本ラッドが運営する、冷房を使わない外気冷却型のデータセンターがある。日本ラッドでは、専用サーバー型のホスティング・サービス「ヘリオスアルファ」において、Fujimi IIIと従来機種(Fujimi II/I)を利用する。