写真1●凸版印刷が参考出品していた電子雑誌向けコンテンツプラットフォーム「Next Choiiist!」。「色」や「動き」などの切り口から記事を検索できるようにする「エモーショナルビューア」を動かしているところ
写真1●凸版印刷が参考出品していた電子雑誌向けコンテンツプラットフォーム「Next Choiiist!」。「色」や「動き」などの切り口から記事を検索できるようにする「エモーショナルビューア」を動かしているところ
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写真2●「ロジカルサーベイエンジン」で集めた記事から「My Choice」としてお気に入りの記事リストを作成し、他のユーザーに公開できる
写真2●「ロジカルサーベイエンジン」で集めた記事から「My Choice」としてお気に入りの記事リストを作成し、他のユーザーに公開できる
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 2011年7月7日から9日までの3日間、東京ビッグサイトで電子書籍や電子出版関連の総合展示会「第15回国際電子出版EXPO」が開催された。会場内の一角で注目を集めていたのが、凸版印刷が同社ブースで参考出品していた「Next Choiiist!」(ネクストちょいすと)と呼ぶ現在開発中の次世代コンテンツプラットフォームである(写真1)。

 同プラットフォームでは、ユーザーがサービス利用時に登録したプロフィールや趣味・趣向などに基づいて電子雑誌の記事を「お薦め記事」として提案する仕組み(リコメンドシステム)を提供する。電子雑誌1冊丸ごとではなく、より細かくユーザーの好みなどを反映できるように個別の記事単位で提案するようになっている点がまず目を引く特徴となっている。提案された記事は、無料で試し読みができたり、記事単位で購入したりできる(提供側の設定による)。

 このリコメンドシステムの中核をなすのが「ロジカルサーベイエンジン」と「エモーショナルビューア」という二つの技術である。ロジカルサーベイエンジンは、ユーザーが登録した属性情報や過去の閲覧履歴などを同サービスの「コンシェルジュ」が把握し、「必然性の高い記事との出会い」を生み出す役割を果たす。

 提案された情報は、ユーザーが自分で好みの記事を探すために役立てられるほか、「My Choice」として画像サムネイル付きのお気に入りページを作成し、他のユーザーに「私の好きな記事一覧です」と公開することもできる(写真2)。他のユーザーに自分の趣味や関心事についてより深く知ってもらったり、逆に自分が興味を持つ他のユーザーのお気に入り記事をチェックすることで、新たな記事との出会いが生まれる可能性が高いという。

 そうした「新たな記事との偶然の出会い」という観点で、よりユニークかつ強力な仕組みを提供するのが二つめのエモーショナルビューアである。同ビューアでは、「色」や「動き」「味」「質感」など一般的な検索とは異なる切り口のキーワードを指定して電子雑誌の記事を検索することができるようになっている。例えば色として「緑色」を指定すると、それに関係しそうな記事が画面内の3D空間上にたくさん集まってくる(写真1)。

 集まってきた記事は、「緑」という漢字がタイトルに使われている記事だったり、野菜について書かれている記事、エコロジーについて書かれている記事など様々なタイプの記事で構成されている。このような仕組みにより、「ユーザーがまったく予想もしなかった新しい記事との出会いを創出できる」(凸版印刷)という。