米IHSのiSuppliは米国時間2011年7月8日、LTE(Long Term Evolution)ネットワーク対応の台湾HTC製スマートフォン「ThunderBolt」を分解して調査した原価分析結果を発表した。それによるとThunderBoltの部品原価は262ドルで、同社がこれまで分解調査したスマートフォンでは最高額だった。LTE関連の部品が、タブレット端末並みの高コストの要因となっている。

 ThunderBoltがLTE対応を実装するために組み込んだ部品のコストは合計39.75ドルだった。そのうち、米Qualcomm製ベースバンドチップは29.00ドルと最も大きな割合を占めた。

 iSuppliは、「米Appleのスマートフォン『iPhone』の次世代機種がLTEをサポートするとの噂があるが、もしThunderBoltと同様の方法でLTE対応を実装するならば、既存の『iPhone 4』と比べて部品原価が大幅に上がることになる」と分析している。

 米Verizon WirelessのCDMAネットワークに対応したiPhone 4は、部品原価が171.35ドルだった。これにLTE関連部品が加わると、部品原価は23.2%増の211.10ドルとなる。しかしiSuppliによると、AppleはThunderBoltと同様のデザインは採用しない方針を示唆しているという。

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