写真●Googleマップのストリートビューの画像撮影に使っている「360度全方向の撮影が可能な特殊カメラ」を搭載した車で東北から北関東の沿岸地域を撮影する
写真●Googleマップのストリートビューの画像撮影に使っている「360度全方向の撮影が可能な特殊カメラ」を搭載した車で東北から北関東の沿岸地域を撮影する
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 グーグルは2011年7月8日、東日本大震災の被害状況をデジタルデータとして記録および保存するためのプロジェクト「デジタルアーカイブプロジェクト」をスタートさせたことを発表した。

 同プロジェクトでは、デジタルデータの保存方法として「Googleマップのストリートビュー」技術を活用。ストリートビュー向けの画像作成に使っている「360度全方向の撮影が可能な特殊カメラ」を搭載した乗用車を使い、特に地震および津波による被害が大きかった東北地方から北関東の沿岸地域を対象として、現地の被害状況を詳細に撮影する(写真)。撮影期間は3~6カ月を予定している。

 グーグルでは、ストリートビュー技術を活用することにより、被災地にいる人に近い目線で被害状況を見ることができ、一般のユーザーが地震や津波が引き起こす被害の大きさを知るきっかけになると説明している。また、同プロジェクトを通じて後世に震災の記録を継承することで、震災の記憶が風化することを防ぐことも目的だという。

 なお、今回の撮影対象地域において既にストリートビューのサービスが提供されている場所の場合、既存の撮影済み画像は今後撮影する画像に置き換わることになる。ただし、同社では震災以前に撮影した画像についても継続して公開およびアクセスできるように計らう予定だという。具体的なアクセス方法については現時点では未定で、「公開時に改めて案内する」(グーグル)としている。