Wakame Software Foundation (WSF)は2011年7月7日、オープンソースソフトウエア(OSS)として公開しているクラウド基盤環境構築用ソフト「Wakame-VDC」の新バージョン「Wakame-VDC v11.06」をリリースした。提供ライセンス形態は「Apache License 2.0」となっている。VDCは「Virtual Data Center」の略。

 Wakame-VDCは、米アマゾンの「Amazon EC2」のようにサーバーの自動準備などが可能なIaaS型のクラウド基盤を作るためのソフトウエア。主にデータセンター内の業務を自動化し、迅速なホスティング環境を実現することを目的としている。Linuxカーネルが標準で備える仮想化機構「KVM」(Kernel-based Virtual Machine)を利用してサーバーを提供。仮想マシンの監視と自動復旧を行うHA(高可用性)機能や、サーバーやストレージ、IPネットワークを柔軟に管理するリソースプール機能などを備えている。

 新バージョンのv11.06では、(1) 仮想ネットワーク技術である分散NAT機能を実装し、IPアドレスの動的な制御を実現した、(2)コンテナ型仮想マシンを提供するためのLinuxの技術である「LXC」(Linux Containers)に対応した、(3)複数の商用オブジェクトストレージへのサーバーディスクボリュームのスナップショット転送機能を搭載した、(4)管理コマンドを充実させた、(5)GUIの設定画面を多言語に対応させた---などの新機能追加や機能強化が実施されているという。