写真●「スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション」刊行記念イベント「ジョブズ流を自分の力に!」
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写真●「スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション」著者 カーマイン・ガロ氏
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写真●会場からは多くの熱心な質問が寄せられた
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写真●「スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション」に解説を寄せた元アップルジャパン、現エバーノート日本法人 会長の外村仁氏
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写真●特別ゲストの声優 平野文氏
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 「大切なのは情熱とビジョンだ」---2011年7月7日、『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』刊行記念イベント「ジョブズ流を自分の力に!」が開催され、著者のカーマイン・ガロ氏が講演を行った。イベント後半のトークセッションでは、会場から多くの質問が寄せられた。

 『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』は、20万部のベストセラーとなった『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』の著者ガロ氏による、ジョブズの“秘密”を探る著書の第2弾。前作がプレゼンテーションをテーマにしていたのに対し、今作はMacintoshやiPhoneを生み出したイノベーションをテーマにしている。

 本の中では7つの「法則」に分けてイノベーションの“秘密”を分析している(関連記事)。時間の限られた今回の講演ではその中から2つの法則を解説した。ひとつは「大好きなことをする『情熱』」。もうひとつは「宇宙に衝撃を与える『ビジョン』」だ。

 「情熱を持っていなければ世界を変えることはできない。そのためには好きなことに取り組まなければならない」(ガロ氏)。ガロ氏は、ジョブズ氏が一度追放され、倒産寸前となったアップルに戻った際のスピーチのビデオを紹介し、「ジョブズ氏は情熱を持ち続けた。だから革新的な製品を生み出すことができた」と説く。

 情熱があっても、それが正しい方向に向かわなければイノベーションは生み出せない。正しい方向に導くのがビジョンだ。同じものを見ても、ビジョンを持っているかどうかで得られるものは変わる。「ジョブズ氏のビジョンは、コンピュータを作ることではなく、人々の生活を変えるツールを作ることだった」(ガロ氏)。

 講演の後、『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』に解説を寄せた元アップルジャパン、現エバーノート日本法人 会長の外村仁氏を交え、会場からの質問に答えた。

 最初の質問として「ジョブズ氏のように企業全体を動かせる立場にない、一般社員はどうすればよいか」という質問に対しては、「ボトムアップでイノベーションを起こすには、それを可能にするリーダーや企業文化が必要であり、そういった企業は多くない」と指摘。そしてこう述べた。「もしあなたが今の環境にうんざりしているのであれば、ジョブズがすでにこう言っている。『人生は短い。他人の夢のために生きる時間はない』」。

 「震災の被害にあった日本に、ジョブズならどんな言葉をかけると思うか」という質問には、こう答えた。「ジョブズが、不調のディズニーに招かれた際の言葉を紹介したい。『大きく考えろ。そうしなければ成功しない』」

 外村氏は「イノベーションは危機の後に起こる」と指摘する。シリコンバレーで仕事をしてきた外村氏は、約十年間、シリコンバレーという“メジャーリーグ”で活躍する日本人を増やすための取り組みを続けてきたが「結果としてたいして増えなかった」(外村氏)。しかし震災後、シリコンバレーに来る日本人が目に見えて増えたという。「ある意味でものごとを変えるきっかけになった」と外村氏は見る。

 通訳は、『フェイスブック 若き天才の野望』などの共訳者である翻訳家の滑川海彦氏、司会はアジャイルメディア・ネットワーク 代表取締役社長CEO 徳力基彦氏が務めた。特別ゲストとして、外村氏がITの指南役を務めているという声優の平野文氏も登場。会場には慶應義塾大学大学院教授 古川享氏、インフォテリア 代表取締役社長/CEO 平野洋一郎氏も顔を見せるなど、豪華な顔ぶれのイベントとなった。イベントの模様はUstream.tvの録画で視聴できる。