パナソニックの電子書籍リーダー「UT-PB1」
パナソニックの電子書籍リーダー「UT-PB1」
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富士通が展示したカラーの電子ペーパー
富士通が展示したカラーの電子ペーパー
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大日本印刷の電子書籍に対応したKIOSK端末
大日本印刷の電子書籍に対応したKIOSK端末
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図書印刷の電子書籍検索サービス「読むナビ」
図書印刷の電子書籍検索サービス「読むナビ」
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モリサワの電子雑誌作成ソリューション「MCMagazine」
モリサワの電子雑誌作成ソリューション「MCMagazine」
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 電子書籍の見本市「国際電子出版EXPO」が2011年7月7日、東京ビッグサイトで開幕した。7月9日まで開催する。会場には今後さらなる普及が期待されている電子書籍の最新サービスや各種製品などが多数展示されている。電子書籍市場の拡大を占う上でポイントとなりそうな注目の製品やサービスを紹介しよう。

 パナソニックは7型の液晶ディスプレイを搭載した電子書籍リーダー「UT-PB1」を展示している。端末にはデュアルコアCPUを搭載。600冊の試用版の電子書籍をプリンストールしているほか、電子書籍配信サービス「楽天イーブックストア」(8月上旬サービス開始予定)に接続して新しいコンテンツを購入できる。同社はかつて「ΣBook」などの電子書籍端末を発売したが、電子書籍端末市場から一度撤退している。今回の新端末で再参入することになる。

 米アマゾンの「Kindle」やソニーの「Reader」などに利用されている電子ペーパーは、目にやさしく、消費電力が少ないことが知られている。ただし、表示がモノクロという弱点がある。この点は、近い将来のカラー化で解消されそうだ。富士通は液晶ディスプレイの技術を応用してカラー化した電子ペーパーを展示している。モノクロの電子ペーパーと同じく、表示内容を書き換える際には全体を一度消去する必要があるが、バックライトを使わず、外光の反射光だけで鮮やかな色を再現できる。2012年度以降の実用化を目指す。このほか、ブリヂストンもカラー化した電子ペーパー「AeroBee」を展示し、教育や医療の現場で利用する例を紹介していた。

 大日本印刷は、電子書籍の販売機能を持った書店などに設置するKIOSK端末を展示している。キーワードで書籍を検索し、電子書籍の購入代金を入れると、レシートが表示される。このレシート上に書かれた暗証番号をAndroid端末上で入力すると、電子書籍のデータが入手できる。電子書籍データをSDカードに記録することも可能。1年後の実用化をめどとして開発を進める。

 数えきれないほどの電子書籍サービスが存在しているが、自分の読みたい電子書籍がどこで売っているのか分からないことがある。そんな悩みを解決できるように開発されたサービスが図書印刷の「読むナビ」だ。「App Store」「BookLive!」「電子書店パピレス」など複数の電子書籍サービスから横断的に検索できる。

 今後は電子雑誌も進化していきそうだ。モリサワは、電子化された雑誌の文字を読みやすく表示する電子雑誌作成ソリューション「MCMagazine」を参考出品している。従来は、紙の誌面をそのままスキャンして表示するというスタイルの電子雑誌が多かった。そのため、文字を読むにはその部分を拡大するという手間が必要で、誌面によっては読みづらいことがあった。MCMagazineでは、画面上で本文の部分をタップすると文字だけが大きく表示されるので、楽に読める。InDesignやPDFのデータをオーサリングツールで変換できるので、制作の手間も削減できるという。