欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)はベルギーで現地時間2011年7月6日、携帯電話の国際データローミング料金に上限を設ける提案を策定した。これにより、音声通話とテキストメッセージに加え、データの国際料金も今後引き下げていく方針。

 ECは2007年より音声通話の国際ローミング料金に上限を設定する国際ローミング料金規制「EU Roaming Regulation」を導入し、市場競争の向上に取り組んでいる。しかしECデジタル制作担当Neelie Kroes氏は「ローミング市場を詳しく調べたが、残念ながらいまだに競争は停滞し、消費者は不当な国際料金を払わなければならない。通信事業者は特にデータローミングにおいて法外なマージンをとりたてている」とし、平均的な国内データ通信料金が1Mバイト当たり0.50ユーロであるのに対し、国際ローミングでは2ユーロかかる現状を指摘した。

 今回策定した提案では、2014年の国際ローミング料金の上限目標を、データ1Mバイトあたり0.50ユーロ、音声通話発信を1分当たり0.24ユーロ、音声通話着信を1分当たり0.10ユーロ、テキストメッセージを1件当たり0.10ユーロとする。

 同提案は、欧州理事会と欧州議会の承認を経て施行される。ECでは、2015年までに国際ローミング料金と国内通信料金の格差をゼロに近づける目標を掲げている。

 なお米メディアの報道(Wall Street Journal)によると、現在実施しているEU Roaming Regulationは2012年6月30日に期限を迎える。その後、音声通話発信を1分当たり0.32ユーロ、音声通話着信を1分当たり0.11ユーロ、テキストメッセージを1件当たり0.10ユーロに引き下げる予定となっている。

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