図1●NTT東日本とセブン&アイ・ホールディングス協業の狙い
図1●NTT東日本とセブン&アイ・ホールディングス協業の狙い
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図2●協業で提供するサービスのイメージ
図2●協業で提供するサービスのイメージ
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図3●無線LANスポットの展開スケジュール
図3●無線LANスポットの展開スケジュール
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図4●7SPOTで提供を検討しているサービス
図4●7SPOTで提供を検討しているサービス
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図5●ネットとリアル店舗を融合したサービスのイメージ
図5●ネットとリアル店舗を融合したサービスのイメージ
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図6●非常時には店舗を情報の入手場所として活用する
図6●非常時には店舗を情報の入手場所として活用する
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図7●販売連携・共同プロモーションの例
図7●販売連携・共同プロモーションの例
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 NTT東日本とセブン&アイ・ホールディングスは2011年7月6日、セブン-イレブンの店舗を中心とした公衆無線LANサービスの提供や、店舗の情報ステーション化などで協業すると発表した(図1)。2013年度中をめどにセブン&アイグループの約1万4000店舗で無線LANサービスを提供する。NTT東日本は通信回線としてフレッツ 光ネクストを提供し、セブン&アイグループの店舗で同社の公衆無線LANサービス「フレッツ・スポット」を利用できるようにする(図2)。

 セブン&アイは、セブン-イレブンの店舗を中心に無線LANサービス「7SPOT」を提供する。集客力向上やコンテンツ配信サービスの提供が目的で、ユーザーには無料で提供する。サービスの詳細については現在詰めている段階で、事前のユーザー登録が必要だったり接続時間を制限したりする可能性があるという。NTT東日本のフレッツ・スポットのユーザーも、無線LANスポットとして利用できる。2011年度は東京23区内の約1300店舗に導入し、2013年度中に全国の約1万4000店舗(このうち東日本エリアは約8700店舗)に拡大する(図3)。NTT西日本のサービスエリアではNTT西日本が主体的に取り組むことになるという。なお、無線LANスポットの導入コストはフランチャイズ本部が負担する。

 セブン&アイは7SPOTを使って、クーポン配信やスタンプラリーといったキャンペーン展開や、生産者情報や商品付帯情報などのより深い商品情報の提供、グループ百貨店のレストラン空席状況やフロアガイドなどの店内コンシェルジュ、ネットプリントサービスやコンテンツ販売などのデジタルコンテンツビジネスの提供を予定している(図4)。また将来的には、百貨店で作ったシャツの採寸情報を利用して自分に合うサイズの服をネットで買うというような、店舗とネットのマーケティング情報を連携させた新しいショッピングサービスの提供も目指す(図5)。

 このほか、今回の協業では「セブン-イレブン店舗の情報ステーション化」「光iフレームを活用したネットショッピングの提供」「販売連携・共同プロモーションの推進」といった取り組みも行う。店舗の情報ステーション化は、震災などの非常時に店舗を情報の入手場所とするための取り組みである(図6)。非常時に各店舗で提供している公衆無線LANサービスを無料開放するほか、事前に配備した非常用電話機を設置し、無料提供する。

 光iフレームを活用したネットショッピングの関連では、東日本大震災で被災した宮城県山元町の仮設住宅118世帯を対象に、住宅内に無線LAN環境を整備する取り組みを行う。各戸へ「光iフレーム」を設置し、セブン&アイのアプリケーションを利用した食品などの宅配サービスを提供する。

 販売連携・共同プロモーションの推進では、セブン&アイグループの各店舗でフレッツ光や光iフレームなどのNTT東日本サービスの申し込み受け付けを行うほか、フレッツ光メンバーズクラブポイントを電子マネー「nanaco」のポイントに交換するプログラムの提供などについて検討しているという(図7)。

 セブン&アイ・ホールディングスの村田紀敏代表取締役社長 最高執行責任者は「今回の協業により、ネットとリアル店舗を連携したビジネスの第一歩を踏み出した。セブン-イレブンでは利用者の年齢層が上がってきているが、このサービスで若年層を取り込みたい」と意気込みを語った。(西畑浩憲=nishihat@nikkeibp.co.jp)