写真●サービスについて説明するNECの高石勝テレコム・コンテンツソリューション事業部長
写真●サービスについて説明するNECの高石勝テレコム・コンテンツソリューション事業部長
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 NECは2011年7月6日、電子書籍や映像、音声といった各種コンテンツをパソコンやスマートフォンなど様々な端末に配信するための基盤を提供するクラウドサービス「コンテンツ配信クラウドサービス」の販売を開始したことを発表した。実際のサービス提供開始時期は7月末からを予定している。

 コンテンツ配信クラウドサービスは、企業やベンダーがユーザーの端末にコンテンツを配布するために必要となる「コンテンツの登録や管理」「ユーザー/端末の管理」「認証や暗号化、著作権保護」「課金」「コンテンツ配信」などの機能をまとめて提供するSaaS型のクラウドサービス。「回線などを含め、端末からクラウド基盤までワンストップで提供できる」(NECの高石勝テレコム・コンテンツソリューション事業部長、写真)ことを強みとする。

 具体的なサービスの提供形態としては、企業が社内ユーザー向けにコンテンツを配布するための仕組みを提供する「inB向けサービス」と、消費者にコンテンツ配信を行うベンダー向けにサービス基盤を提供する「BtoBtoC向けサービス」の2形態を用意。7月下旬からまず提供を始めるのはinB向けサービスの方で、企業が社員に対して電子マニュアルや製品資料、研修用教材、カタログなどを配信するといった用途を想定しているという。

 もう一方のBtoBtoC向けサービスは、電子書籍や映像作品、音楽などの配信を手がけるコンテンツベンダーの利用を想定する。NECでは、これ以外に例えば電子チラシや電子クーポンによる購買者支援サービスや観光地での道案内サービス、多言語コンテンツによる外国人訪問客のサポートなどの用途も考えられるとしている。こちらの提供開始は2011年秋の予定。

 NECはさらに、将来的には同社自身が消費者に直接コンテンツを販売する「BtoCサービス」への参入も視野に入れていることを明らかにした。「将来とは具体的にいつころか?」という会場からの質問に対しては、「2011年度内には始めたいと考えている」(NECの高石部長)と回答していた。

 販売目標については、2015年度末までに累計で1000社へのサービス提供と同100億円の売り上げを目指すとした。「初年度の販売目標は約3億円だが、倍々ペースで増やしていき、2015年度には端末やコンテンツ販売などを含まない純粋なサービス部分のみの単年度売り上げが20億~30億円以上となることを目指したい」(NEC)。