米Microsoftは現地時間2011年7月5日、米GoogleのモバイルOS「Android」を搭載した端末に関して、台湾Wistronと特許ライセンス契約を結んだと発表した。MicrosoftはWistronからロイヤルティを受け取るが、金額など詳細な条件は明らかにしていない。

 Wistronは、AndroidあるいはGoogleのパソコンOS「Chrome OS」を採用したタブレット端末、携帯電話、電子書籍リーダーなど広範な消費者向けデバイスにおいて、Microsoftからライセンス供与を受けた特許技術を使用する。

 MicrosoftはAndroid搭載端末を巡る特許ライセンス契約をこの2週間で今回を含めて4件結んだ。6月28日には耐衝撃ウエアラブルコンピュータなどを手がける米General Dynamics Itronix、続いて6月29日に機器メーカーの米Velocity Microとの合意を発表(関連記事:Microsoft、Android端末を巡って機器メーカーとライセンス契約、今週2件目)。6月30日にはオンキヨーとAndroid搭載タブレット端末に関してライセンス契約を結んだことを明らかにした(Microsoftのプレスリリース)。

 Wistronとの契約では、他の3社と異なり、Chrome OSも対象となっている。Googleは2011年5月に、Chrome OSを搭載するノートパソコン「Chromebook」を米国など7カ国に投入すると発表した(関連記事:Google、Chromeベースのノートパソコン「Chromebook」を6月15日発売)。韓国Samsung Electronicsと台湾Acerが製造し、6月に第1弾の販売が始まっている。なおGoogleはWistronとの提携についてコメントしていない。

 Microsoftは、主要なAndroid端末メーカーの1社である台湾HTCと2010年4月に特許ライセンス契約を締結しているが(関連記事:MicrosoftがHTCと特許ライセンス契約を締結、Android端末での特許使用を許可)、それ以外のライセンス契約はいずれも小規模ベンダーだと米メディア(CNET News.com)は指摘している。

 しかしMicrosoftは大手企業との訴訟を抱えており、Androidを搭載した電子書籍リーダーに関して米Barnes & Nobleと(関連記事:Microsoft、Android搭載端末の特許侵害でBarnes & Nobleを提訴)、Android搭載スマートフォンに関して米Motorolaと(関連記事:Microsoft、Android
端末の特許侵害でMotorolaを提訴
)裁判で争っている。

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■変更履歴
当初、3段落目で6月29日に合意した機器メーカーを「米General Dynamics Itronix」と表記していましたが、正しくは「米Velocity Micro」でした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2011/7/6 18:40]