米Microsoftと中国検索大手のBaidu(百度)が中国向け検索サービスで提携を結んだ。Baiduが現地時間2011年7月4日に明らかにしたと、米英メディア各社が報じている。提携のもと、Microsoftは英語検索の結果をBaiduに提供する。

 両社の提携は年内にBaiduの検索サイト「Baidu.com」に反映される。Baidu.comで英語のキーワードによる検索が行われると、Microsoftの検索エンジン「Bing」が検索結果をBaidu.comに返す。

 Baiduは中国語検索サービスで86%のシェアを占めているが、この数年間、1日当たり1000万件にのぼる英語検索の強化に努めてきた。今回のMicrosoftとの提携で強力なパートナーを得たことになる。またMicrosoftは、約4億7000万人の中国インターネットユーザーに向けて事業機会を広げることができる(米New York Times)。

 中国検索市場に関しては、米Googleが2010年3月に中国サイト「Google.cn」で中国政府から強いられていた自己検閲を停止し、中国本土から撤退した(関連記事:Google、中国向け検索サービスの検閲を停止)。現在は香港を運用拠点として中国向けに検索サービスを提供している。

 中国の調査会社Analysys Internationalによると、中国検索市場におけるBaiduのシェアは4分の3以上で、Googleは縮小しているとはいえ約20%を維持しており、Microsoftは1%に満たない(英Financial Times)。MicrosoftとBaiduは提携の詳細な条件については明らかにしていないが、Financial Timesの報道によるとBingの検索結果を統合したBaidu.comでの広告収入はすべてBaiduが受け取るという。Microsoft China上級バイスプレジデントのSamuel Shen氏は、「両社の協業は、膨大なBaiduユーザーにより優れた英語検索体験と検索結果をもたらし、より多くの中国ユーザーにBingを利用する機会を提供する」と述べている。

 また検閲に関しては、英ReutersはBaidu広報担当社の発言として「BingがBaiduに提供する英語検索結果については、すでにBingが準じている以上の検閲および制約を受けることはないだろう」と報じている。