政府の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部、本部長:菅直人首相)が設置した「電子行政に関するタスクフォース」は2011年7月4日、電子政府の普及が進まない課題と解決策などをまとめた提言を公表した。

 公表した提言は「電子行政推進に関する基本方針に係る提言」など3つ。電子行政サービスの内容が向上せず普及も遅れている理由としては、「費用対効果を踏まえた取り組みが不十分だった」「IT投資を全体最適化する投資管理が不十分だった」といった課題を指摘。解決策として、政府によるITガバナンスを強化するため、「政府CIO制度」の導入を推し進めるべきとした。

 政府CIO制度の創設は、IT戦略本部が09年に公表した「デジタル新時代に向けた新たな戦略~3カ年緊急プラン」などで既に公表済み。今回の提言では、政府CIOの権限や役割について、(1)利用者目線に立った電子政府の戦略立案や推進、評価、(2)政府全体のIT投資を管理、総合調整、(3)国と地方自治体とのシステム連携を推進--などを挙げた。

 その上で、内閣官房で速やかに制度の詳細設計や法制化の検討に着手すべきと提言。これらの具体的な検討をする有識者会議を年度内に立ち上げるべきとした。